浦学元4番の笹川 母の言葉信じた3安打3打点

[ 2012年8月12日 06:00 ]

<高崎商・浦和学院>6回2死一塁、浦和学院・笹川は左越え2ランを放ちガッツポーズ

第94回全国高校野球選手権1回戦 浦和学院6―0高崎商

(8月11日 甲子園)
 打球を押したのは浜風だけではない。母への、仲間への感謝…。全てが浦和学院・笹川の一打を左翼席へ押した。

 「直球を狙っていた。その直球だけど、まさか入るなんて。チームに貢献できて、うれしい」

 4番・山根の中犠飛で先制した6回だ。2死一塁で内角低めの直球を完璧に捉えた。流れを決める2ラン。ダイヤモンドを回る笹川の脳裏にさまざまな思いが浮かんだ。

 8強に進出した今センバツでは4番を打ったが、6月の練習試合で左手薬指の付け根を骨折。埼玉大会では思うようにバットが振れず、打率・211で打順も5番に降格した。それが甲子園入り後に痛みが消え、冬場に1日2000スイングで鍛えた打棒がよみがえった。

 両親が離婚し、女手一つで育ててくれた母・美加さん(40)の手紙を宿舎の枕元に置いて寝ている。手紙には「お母さんの子なんだから、しっかりやれば大丈夫」。その通りに8回も中堅フェンス直撃の適時二塁打。04年以来の夏1勝を呼び込むと、森士(おさむ)監督も「選手がよくやってくれた」と喜んだ。

 全て長打の3安打3打点。元4番の復活が快進撃を予感させた。

 ▼浦和学院・竹村(6回1死一、二塁から三盗を決め、犠飛で先制のホームイン)投げるときに投手の右足にクセがあるのに気づいた。右足だけ見て、上がった瞬間にスタートを切った。

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2012年8月12日のニュース