“平成の青い稲妻”松本哲 涙のお立ち台!V打&美技

[ 2012年8月9日 06:00 ]

<巨・神>お立ち台でうれし涙を流す松本哲

セ・リーグ 巨人2-0阪神

(8月8日 東京D)
 巨人の松本哲也外野手(28)が8日の阪神戦で6回に0―0の均衡を破る決勝の右中間二塁打。中堅の守備でも8回にフェンスに激突しながら好捕し、チームを4連勝に導いた。09年には新人王を獲得するなど大ブレークしたが、昨季は2軍暮らしが長かっただけにお立ち台では号泣した。チームは今季の阪神戦の対戦成績を11勝3敗3分けとし、4年ぶりの勝ち越しを決めた。

 久しぶりに上がった東京ドームのお立ち台。大歓声の中、家族の話題を振られると松本哲の両目から涙があふれた。「家族には支えてもらったので…」。心からの感謝の言葉。「平成の青い稲妻」が帰ってきた。

 0―0の6回1死一塁で右中間を破る決勝の適時二塁打。ボール球を叩き投ゴロ併殺に倒れた3回の打席の反省を生かした。カウント3ボール1ストライクも、場面も同じ状況。「一、二塁間へ、強い打球を」。同じランエンドヒットのサインで、今度はコンパクトに振り抜いた。守備でも8回に先頭・新井良の大飛球をフェンスに激突しながらキャッチした。「今まで悔しい思いをしてきたし、貢献できていなかった。結果を出せて良かった」とうなずいた。

 09年には新人王とゴールデングラブ賞を受賞。「育成の星」としてCMにも出演するなど大ブレークしたが、昨季は地獄を味わった。統一球に苦しみ1軍は20試合出場でわずか1安打。2軍でも打率・219で「捉えた球もファウルになる」と頭を抱えた。今年3月に代名詞の天びん打法を捨て、6月には1本足からすり足へ改造。パワー不足を補うためオフには体重を4キロ増量した。

 試行錯誤の苦しい時期を支えたのは、昨年12月に結婚した朝美夫人の存在。「絶対大丈夫。いつか必ず上がれる」と励まされ続けた。6月1日には第1子となる長男も誕生。「常に前向きな言葉をもらい落ち着いたし、やらなきゃいけないと思った」と決意がにじむ。

 2番に定着しつつある後半戦は打率・417。「いい形でらしさが出ている」と原監督。チームは阪神戦勝ち越しを4年ぶりに決めた。前半戦で固定できなかった2番。1メートル68の小さな巨人が最後のピースとなる。

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