イチロー 移籍後14試合目で初のタイムリー&マルチ安打

[ 2012年8月9日 06:00 ]

タイガース戦の9回、中前適時打を放つヤンキースのイチロー

ア・リーグ ヤンキース5-6タイガース

(8月7日 デトロイト)
 ヤンキースのイチロー外野手(38)が7日(日本時間8日)、タイガース戦に「8番・左翼」で出場。移籍後14試合目で初の適時打、さらに複数安打と複数打点もマーク。ヤ軍移籍後は得点圏では16打数無安打だったが、7回に左翼線適時二塁打、9回にも中前適時打を放った。試合は5―6で敗れたが、「一日一善」を脱し、いよいよイチローの本領発揮だ。

 ヤ軍移籍後14試合、56打席目にして生まれた適時打に、イチローは「長かったですけれど、そんな重い感じはしていなかった」と笑った。

 7回2死三塁。右腕ポーセロのスライダーをしっかりと引きつけて左翼線へ運んだ。9回2死一、二塁でも守護神バルベルデからライナーで中前に運んだ。マルチ安打、複数打点も移籍後初となった。

 前日まで計13試合、16打数で得点圏での安打はなかった。もっとも、イチロー自身に思い詰めた空気はなかった。それは1試合1本ながら5日までの12試合連続安打の打撃内容に手応えを得ていたからだ。「1本が12試合続くというのは、感触として1本しかヒットを打てない状態では続かない。2本、3本と自分の感覚の中では捉えている」と説明した。ヤ軍では一人で勝敗の責任を背負う必要がないことも大きい。マ軍では主に3番を務めた今季、得点圏打率は・175で、批判を浴び続けた。だが、スター軍団のヤ軍では矢面に立たされることは少なく、盗塁や進塁打、守備でも勝利につながる働きならば十分に評価される。

 「勝つというシンプルな目標が常にある。このチームにいると、その瞬間に集中するから余計なことを考えない」

 マ軍時代は、シーズン早々に優勝争いから脱落し、個人記録にモチベーションを求めるしかなかった。だが、ヤ軍では純粋に勝つために何ができるかに集中できる。新たな喜びを感じ、イチローは日々戦っている。

続きを表示

2012年8月9日のニュース