ルーキー武田 おかわり3三振斬り 自己最多10K3連勝

[ 2012年8月5日 06:00 ]

<ソ・西>笑顔でヒーローインタビューを受けるソフトバンク・武田

パ・リーグ ソフトバンク7-0西武

(8月4日 ヤフーD)
 ソフトバンクの高卒ルーキー・武田翔太投手(19)が、4日の西武戦で自己最長の6回1/3を3安打無失点で、デビュー以来無傷の3連勝を飾った。昨季の本塁打王、中村剛也内野手(28)を3打席連続三振に斬るなど、自己最多の10奪三振。150キロを超す直球だけでなく、多彩な変化球でも三振が取れる投球術はとても19歳とは思えない。高校時代に「九州のダル」と呼ばれた右腕が本家に匹敵する可能性を見せつけた。

 デビュー3連勝を飾った武田の凄さは、初対決となった中村との3打席に凝縮されていた。3打席連続の空振り三振。決め球は全て違った。

 2回の第1打席は外角低め138キロの縦スラ、5回は外角低め148キロ直球、7回無死一塁は、今度は横に曲がる134キロのスライダーで空を切らせた。そこには計算した外角攻めがあった。

 「新聞でも読んでいましたが(中村は)少し、膝が痛かったんですかね。打席に入る前から感じました。安全なところに投げようと思った」。球宴前から左膝に違和感を訴えている中村の打席に入るしぐさを観察していた。狙いは踏み込みづらい外角低め。そこから縦スラ、直球、横スラと打席ごとに投げ分けた。

 6回1死まで無安打。100球を超えた7回1死一、二塁でマウンドを譲ったが、自己最多の10三振を奪った。内訳は直球3、縦スラ3、横スラ2、チェンジアップ2。宮崎日大時代に「九州のダル」と呼ばれた右腕だが、入学した時は変化球はカーブしかなかった。だが「1年に1球種、自分のものにしようと思った」という。その結果、2種類のスライダー、3種類のカーブ、チェンジアップ、シュートを身につけた。西武・土井打撃コーチは「どんな球もストライクが取れるのはダルビッシュ以上」と舌を巻く。2ストライクに追い込むと、通算43打数2安打26三振で被打率・047。打者が的を絞ることができない多彩な球種を持っている。

 それでも武田に満足感はない。「(膝が)痛くてあのスイングは凄い。きょうはちゃんとした勝負じゃない」と中村との再戦を望んだ。「球数も100球を初めて投げた。少しずつ、上げていけばいい」と秋山監督。恐るべき19歳が現れた。

 ≪高卒新人の2桁奪三振は4年ぶり≫武田(ソ)が6回1/3を10奪三振無失点で3勝目。高卒新人の無傷の3連勝は今季釜田(楽)も記録しており、ドラフト制後では10人目だが、ホークスでは前身球団を含め武田が初めてだ。また高卒新人の2桁奪三振は唐川(ロ)が08年5月3日西武戦で10個奪って以来4年ぶり。チームでは南海時代の54年に宅和が4度マークして以来58年ぶり2人目になった。

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2012年8月5日のニュース