青木“ヒーロー”弾から逆転負け「慣れてきているのが怖い」

[ 2012年7月31日 06:00 ]

<ブルワーズ・ナショナルズ>8回、本塁打を放ち、ベンチとファンに迎えられるブルワーズ・青木(7)

ナ・リーグ ブルワーズ10―11ナショナルズ

(7月29日 ミルウォーキー)
 ブルワーズの青木宣親外野手(30)は29日(日本時間30日)、地元ミルウォーキーでのナショナルズ戦で8回に一時勝ち越しとなる6号ソロを放った。6回には今季5度目のスクイズを成功させるなど2打点と活躍したが、チームはまたも救援陣が崩れて延長11回の末、10―11で逆転負け。最近10試合は1勝9敗と急失速。終戦ムードの中、青木の孤軍奮闘が続く。

 日曜のデーゲームということで本拠ミラー・パークを埋めたファンは4万4663人。その前で青木はヒーローになるはずだった。4点リードを追い付かれた直後の8回1死。ナ軍2番手マテウスの真ん中高めの直球をコンパクトに振り抜いた。「打った瞬間入ったと思った」という完璧な当たりは右翼席に飛び込んだ。

 「甘い球だったら思い切り振ろうと思っていた。あれはいい当たりだった」。7月6日のアストロズ戦以来、18試合ぶりの一発となる6号ソロ。さらに2番ゴメスも2者連続アーチを左中間に叩き込み、球場のムードは最高潮に達した。

 しかし、このリードを守りきれないのが今のブルワーズ。9回に守護神アクスフォードが同点2ランを浴び、延長11回に勝ち越された。最近10試合は1勝9敗となったが、うち4敗は8回以降に逆転されたもの。30球団中28位の防御率4・80の救援陣がまたも崩れ、青木の一発を台無しにしてしまった。3―2の6回には1死満塁の難しい状況でスクイズを決めるなど、大技小技で2打点を挙げた青木だが、試合後は「(逆転負けに)慣れてきているのが怖い。こういう慣れは良くない」と厳しい表情で語った。

 昨季の地区優勝チームがまさかの急失速。27日にはエースのグリンキーをエンゼルスにトレードで放出するなど、既に終戦ムードが漂う。気持ちの切り替えが難しい現状。メジャー1年目が残り2カ月あまりとなった青木は「チームの流れを感じながらやるより、自分のことに集中してやるほうがいい」と自らに言い聞かせていた。

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2012年7月31日のニュース