夏の全国高校野球大会 開会式に被災地球児3人招待

[ 2012年7月30日 19:29 ]

 日本高野連は30日、兵庫県西宮市の甲子園球場で8月8日に開幕する第94回全国高校野球選手権大会の開会式に、東日本大震災で被害が大きかった岩手、宮城、福島各県から野球部員計3人を招くと発表した。

 3人は各県で記者会見をし、「全国から支援を頂いた。元気な姿を見せたい」と抱負を語った。

 始球式で投手役に選ばれた福島県立双葉高2年の猪狩駿さん(17)は、東京電力福島第1原発事故で自宅のある大熊町から避難、いわき市で両親と暮らす。

 双葉高は、県大会に相馬農高、原町高と連合チーム「相双福島」を組んで出場、初戦で敗れた。「甲子園は憧れの場所。福島県のいろんな人の思いを込めて、ストレートを思いっ切り投げ込みたい」

 捕手役の岩手県立大槌高3年金野利也さん(17)は震災の津波で母、姉、祖母を亡くし自宅も流された。今は仮設住宅で父、姉、弟と暮らす。「母がいなくなって寂しいが周りの支えで今の自分がある」と目を潤ませた。

 入場行進で先導役に選ばれた宮城県名取市の宮城県農業高3年佐々木大地君(18)は「全国から野球のボールを送ってもらうなど支援を頂いた。感謝しながら自分たちの元気な姿を見せたい」と語った。

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2012年7月30日のニュース