大津先輩やった!成立学園 サヨナラで初甲子園

[ 2012年7月30日 06:00 ]

<成立学園・国士舘>サヨナラ打の見目(左から2人目)の周りに集まって甲子園初出場を喜ぶ成立学園ナイン

東東京大会決勝 成立学園4―3国士館

(7月29日 神宮)
 第94回全国高校野球選手権大会(8月8日から15日間、甲子園)の地方大会は8大会で決勝が行われ、東東京は成立学園が国士舘にサヨナラ勝ちし、春夏通じて初の甲子園切符をつかんだ。30日は福井で決勝が行われ全49代表校が出そろう。
【29日の試合結果】

 創部87年目。ずっとこの瞬間を夢見てきた。春夏通じて初の甲子園切符。成立学園ナインの歓喜はいつまでも続いた。

 「最後に一本打ってやろうと思っていた。最高です」

 国士舘に2点差を追い付かれた直後の9回。1死から四球で出塁した小柳が、意表を突くディレードスチール。2死後、準決勝まで打率・176と不振の見目(けんもく)主将が放った打球は、前進守備の相手中堅手の右を抜けていった。今大会通算5本目の安打がサヨナラ安打となった。岩倉時代の84年センバツで桑田、清原を擁するPL学園を破って優勝した菅沢剛監督も、小柳、見目の「KKコンビ」の活躍に「粘り強く戦うのが持ち味。でも、まだ(優勝した)実感が湧かない」と目を細めた。

 見目には栃木県内の実家に住む母・仁子(じんこ)さんとの約束があった。今年2月4日の母の誕生日に「甲子園出場をプレゼントするから」とメールを送った。高校進学時に「県外で勝負がしたい」と地元を飛び出し、東京へ送り出してくれた母に贈る感謝の一打でもあった。

 成立学園は甲子園常連校と違い、有望な選手をスカウトするわけではなく、「成立でやりたいという選手だけを集めた」(菅沢監督)という雑草軍団。そんな選手たちが148校の頂点に立った。「初出場の重圧はあるかもしれないが、甲子園でも楽しみたい」と見目。ロンドン五輪の男子サッカー日本代表FW大津の母校が、甲子園でも旋風を巻き起こす。

 ◆成立学園(東東京)サッカー部は全国高校選手権出場2度の強豪。

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