マエケン両リーグ最速10勝も6失点「きょうは悔しい」

[ 2012年7月27日 06:00 ]

<ヤ・広>10勝目を挙げた広島・前田健(左から2人目)はナインとハイタッチ

セ・リーグ 広島16-12ヤクルト

(7月26日 神宮)
 次々と得点を重ねるシーンに、広島・前田健はベンチで苦笑いをしていた。両リーグ最速の10勝目。しかし結果は5回7安打6失点、奪三振は1個だけだった。守備に足を引っ張られた部分もあったが、「きょうの10勝は悔しい。思い通りの投球ができなかった」と歯がゆそうに話した。

 オールスター戦の期間中は移動ばかりで練習時間があまり取れなかったという。さらに球宴での登板も含めると10日間で3度の先発と、厳しい間隔での登板が続いている。しかし「シーズンに入ればそんなことは言っていられない」。まさにエースとしての自覚。防御率は1・56に下がり、同僚の野村に抜かれて2位になったが、勢いに乗る赤ヘルのエースは間違いなくこの男だ。

 両チーム18イニングのうち、半分の9イニングで得点が刻まれた。初回に4点。4回には打者13人の攻撃で一気に8点を奪った。今季両リーグ最多の21安打16点。4回の攻撃が終わって13―0。前田健は油断したわけではないだろうが、4、5回に3点ずつを失った。この日娘が生まれたばかりの広瀬が、4回の5号満塁弾を含む2本塁打6打点。両軍合わせて35安打の壮絶な打ち合いを制した。マエケンも感謝、感謝だったに違いない。

 ≪マエケン4人目W快挙≫前田健(広)が両リーグ10勝一番乗り。広島の投手で記録したのは53年長谷川、82年北別府、95年山内、08年ルイスに次ぎ5人目になる。前田健は4月6日DeNA戦でノーヒットノーランを達成。同一シーズンに両リーグ10勝一番乗りとノーヒットノーランをマークしたのは57年金田(国鉄)、65年バッキー(神)、68年鈴木啓(近鉄)に次いで44年ぶり4人目と珍しい記録だ。

 ≪両軍合計28得点は統一球導入後は最多≫広島―ヤクルトの両軍合計28得点は、統一球が導入された昨年以降では昨季2度あった21得点を大きく上回る最多になった。両軍合計35安打は昨年6月5日ヤクルト―楽天戦の36安打に次ぎ、同年9月19日広島―阪神戦と並ぶ2位タイ。

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2012年7月27日のニュース