木更津総合・黄本 2日連続完投V 18安打打線に応えた

[ 2012年7月26日 06:00 ]

<柏日体・木更津総合>4年ぶりの甲子園を決め歓喜の木更津総合ナイン

千葉大会決勝 木更津総合9―0柏日体

(7月25日 QVCマリン)
 第94回全国高校野球選手権大会(8月8日から15日間、甲子園)の地方大会は、32大会で85試合が行われた。千葉大会では木更津総合のエース右腕・黄本(きもと)創星投手(3年)が柏日体打線を5安打で完封し、4年ぶり3度目の甲子園出場を決めた。神奈川大会では桐光学園の松井裕樹投手(2年)が11奪三振3失点の力投で優勝候補の横浜を下し、4強入りを果たした。26日は岩手、茨城など8大会で決勝が行われ、22大会で46試合が行われる。

 黄本が投じた133球目は、139キロの高めの直球だった。空振り三振。無表情でマウンドに立ち続けたエースが、両手を突き上げた。

 「最後の三振は狙っていました。力が入りました。結果が出たので満足しています」。最速142キロの直球を武器に、スライダー、スプリットを投げ分けた。5安打1四球で完封。2日連続での完投に「精神面で粘り強く投げられるようになりました」と胸を張った。

 昨夏は右足首の亀裂骨折を抱えながら登板したが、3回戦で敗退。秋季大会でも同じく3回戦で敗れた。選手同士で行ったミーティングでは仲間から「練習を切り上げるのが早いんじゃないか」と厳しい言葉を浴びせられた。「最初はムッとしましたけど、自分のために言ってくれているんだなと思って」と、エースとして背中でチームを引っ張ることを決めた。帽子には「甲子園で勝てる投手」と書き込んだ。走り込みに加え、自転車トレーニングで20キロ走破することを日課とした。厳しい冬を越え、体重は10キロ減って83キロに。逆に直球の最速は10キロ上がって144キロを計測するまでになった。

 5回には味方の失策で2死満塁とされたが、無失点で切り抜けた。「エラーで崩れるのは普通の投手。しんどい時に勝てるのがエース」と言ってのけた。母・美恵さん(48)は「緊張する子でしたけど、堂々と投げられるようになりましたね」と成長を喜んだ。

 打線は18安打の猛攻で9得点。五島卓道監督は「打線は力がある。投手が抑えてくれればと。春と比べて、別人の黄本がいましたね」と称えた。チームは4年ぶりの甲子園出場。黄本は「自分が抑えれば、負けることはない」。その言葉は、力強かった。

 ▽木更津総合(千葉)1963年創立。女子ソフトボールも全国区。

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