今大会初出場の重谷V弾!JR東日本、連覇に王手

[ 2012年7月24日 06:00 ]

<JFE東日本・JR東日本>8回1死、勝ち越しソロを放つ重谷

第83回都市対抗野球準決勝 JR東日本3―2JFE東日本

(7月23日 東京D)
 JR東日本(東京都)が61、62年の日本石油以来、50年ぶりの連覇に王手をかけた。2―2の8回に今大会初出場の重谷祐弥内野手(22)が決勝の右越えソロ。投げては4投手のリレーで粘るJFE東日本(千葉市)を振り切った。連覇を達成すれば史上7チーム目の快挙となる。第2試合は史上最多の10度目の優勝を狙うJX―ENEOS(横浜市)がNTT東日本(東京都)を4―2で下した。決勝戦は24日午後6時から行われる。

 伏兵の一発で、史上7チーム目の大会連覇に王手をかけた。2―2に追いつかれた直後の8回。9番・左翼で今大会初出場の重谷が、値千金の決勝アーチを右翼スタンドに放り込んだ。

 「打った瞬間にこれはいったな、と思いました。野球をやってきた中で一番の当たりでした」

 優勝した昨年は代打で2度、打席に立つも2三振。今大会も本来は内野手ながら、外野のノックを受けるなどして出番を待っていた控え選手だ。それでも「気持ちを切らさず打撃の調子を上げていたことが、きょうのスタメンにつながったと思います」と胸を張った。

 打てる予感はしていた。準々決勝の東芝戦前に夢を見た。「右中間の長嶋さんの看板に打球を当てる夢を見ました」。今年はオープン戦も含めて1本も本塁打を打ったことがない。それなのに、そんなシーンが夢に浮かぶほど打撃の状態には自信を持っていた。

 昨年12月に8歳上の未由樹夫人と結婚。寮を出て社宅で生活を始めた。「いろいろ栄養を考えてくれて、毎日違う食事をつくってくれるのがうれしい」。ただ優しいだけでない。「きょう試合に出なかったら、あしたは見に行かない」と尻を叩かれていた。試合に出るどころか、価値ある決勝弾。姉さん女房のひと言は効果絶大だった。

 昨年のメンバーから十亀(西武)ら主力3選手がプロ入りしたが、連覇まであと1勝。堀井哲也監督は「もうここまで来たら、泣いても笑っても、という感じです。総力戦でいきます」と話した。先発の柱に成長した新人・吉田の台頭や、重谷ら脇役の活躍も目立つ。昨年よりさらに選手層が厚くなったJR東日本が50年ぶりの快挙に挑む。

 ◆重谷 祐弥(しげたに・ゆうや)1990年(平2)6月12日、神奈川県生まれの22歳。浦島丘中から千葉経大付に進み、07年春、08年春夏と甲子園に3度出場した。最高成績は08年春のベスト4。準決勝で聖望学園に2―4で敗れた。入社4年目。1メートル76、73キロ。右投げ左打ち。

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