虎捕手に痛烈ゲキ?球児 阿部を絶賛「久々にびっくりした」

[ 2012年7月22日 14:35 ]

<全セ・全パ>阿部とともに笑顏でマウンドへ向かう全セ・藤川

オールスター第2戦 全セ4―0全パ

(7月21日 松山)
 阪神の守護神・藤川は宿敵巨人の女房・阿部とバッテリーを組み、糸井、陽岱鋼(ともに日本ハム)から連続空振り三振を奪うなど3者凡退と本領発揮した。

 「球種を全部言って阿部さんにすべて任せた」。普段は対戦相手として全力でぶつかる相手だが、この日はバッテリーという形で全パの強力打線に立ち向かった。先頭の糸井にはオール直球勝負を挑んでフルカウントの6球目、145キロで空振り三振。陽岱鋼には一転、フォークで空を切らせ連続三振。最後は角中を146キロ直球で右飛に打ち取った。最速は148キロにとどまったが球界を代表するクローザーが見せた貫禄漂う3人斬りだった。

 それでも試合後、藤川が言葉に力を込めたのは自分の投球に対してではなく、むしろ阿部の捕球技術に対してだった。

 「キャッチングがうまい。久々にびっくりしました」。この言葉の意味するものとは―。

 今季、チームは深刻な“捕手難”にあえいできた。昨年8月に左膝の手術をした城島は一塁に専念し、前半戦終えないうちに腰椎椎間板ヘルニアの除去手術を決断。正捕手として期待された藤井彰も度重なる故障で3度の出場選手登録抹消で、現在は2軍でリハビリ中だ。

 ともすれば若手の台頭を臨みたいところだが、現状の1軍メンバーである小宮山、今成、岡崎も経験不足は明らかで、打撃が売りの今成は先発出場しても藤川が登板する際は小宮山がマスクをかぶることが、現状では通例となっている。

 藤川が口にした阿部への賛辞は単なるコメントとして捉えることもできるが、自チームの若手捕手陣への痛烈なゲキにも聞こえる。もっとも藤川も右大腿骨骨挫傷からの復帰明けでこの日も「そこまで体調は戻っていない」と万全とは言えない現状を口にした。

 「後半戦へ良いきっかけにしたい」。確かな手応えもつかんだ。2死から迎えた角中には1ストライクから4球ファウルで粘られてウイニングショットは、やや横手投げで目先を変えた。「最後は疲れたから横で投げた。いつまでも決まりそうになかったから」。後半戦を意識した投球術も試した。

 この日は32歳の誕生日。「戻れるなら22歳になりたい。もっと元気に投げたい」と最後はジョークを交えて笑った。

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2012年7月22日のニュース