マエケン圧投MVP!04年松坂以来の投手受賞に「びっくり」

[ 2012年7月22日 06:00 ]

<全セ・全パ>初回2死、中島を3球三振に斬る全セ・前田健

オールスター第2戦 全セ4―0全パ

(7月21日 松山)
 黄金世代の競演だ!マツダオールスターゲーム2012は21日、松山市の坊っちゃんスタジアムで第2戦を行い、全セが4―0で全パを下し、2連勝とした。先発した広島の前田健太投手(24)が3回1安打無失点と貫禄の投球。3回に本塁打を放った同じ88年生まれの巨人・坂本勇人内野手(23)を抑え、投手8年ぶりのMVPを獲得した。通算成績は全セの73勝77敗9分け。第3戦は23日に東日本大震災の復興支援試合として、盛岡市の岩手県営野球場で開催される。

 パ・リーグ打率トップの田中賢を完全に詰まらせた力ない飛球がフラフラと左翼の前に落ちた。3回1死からの初安打に前田健は思わず苦笑いを浮かべた。「3回は正直、狙っていました。できればノーヒットでいきたかった」。それでも後続の里崎、聖沢を抑え、貫禄の3回無失点だ。

 初回は3番・中島を真っすぐだけで3球三振。2回先頭のペーニャの3球目には最速149キロを計測した。初球は101キロのカーブで全パの4番を幻惑し、最後は144キロ直球で二飛に打ち取ると、すれ違う際にはタッチを交わした。

 「ああいうのもオールスターならではだし、それにいつも敵の選手が後ろを守ってくれて、ベンチでもいろいろな話ができる。楽しめました」

 全40球のうち29球が直球での力勝負。結果だけではなく内容でもファンを魅了して、MVPに選出された。投手の受賞は04年第1戦の西武・松坂大輔(現レッドソックス)以来8年ぶりで、広島の投手では80年の江夏豊以来、2人目の快挙だ。「びっくりです。ハヤト(坂本)だと思っていましたし、勝たないともらえない賞なので」と白い歯をこぼした。

 今年1月1日に結婚した早穂夫人に贈る勝利でもあった。27回目の誕生日だった19日に広島から一緒に大阪入り。その日の晩に、鉄板焼きに舌鼓を打ち、ささやかな誕生パーティーを開いた。普段から栄養管理など、野球に打ち込める環境を整えてくれる夫人に雄姿を見せようと、当初は京セラドームの第1戦の先発を希望していた。しかし、前半戦の最終登板が17日の中日戦(マツダ)となったために第2戦に回った。おかげで「チケットも押さえられないし、松山に来られない」と、白星のプレゼントはテレビを通じてとなった。

 勢いで初出場した2年前とは違う。今季は無安打無得点試合を達成するなど、前田健は名実ともに球界を代表する選手となった。「本当に出たい気持ちが強かったので、良かった」。生涯忘れられない、特別な一日となった。

 ▽04年第1戦・松坂(西)のMVP 全パの2番手で3回から登板し、自己最速タイの156キロを含む150キロ台を連発。金本や高橋由らから4三振を奪うなど、2回を1四球無安打で自身初の勝利投手に。球界再編で揺れる中で野球の魅力を示した。

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