JX―ENEOS 4年ぶり8強!大城、夢つなぐ快投 

[ 2012年7月21日 06:00 ]

<JX-ENEOS・セガサミー>7回1失点と好投したJX-ENEOS先発の大城

都市対抗野球大会2回戦 JX―ENEOS2―1セガサミー

(7月20日 東京D)
 2回戦3試合が行われた。第3試合では昨年のドラフトで指名漏れしたJX―ENEOSの大城基志投手(24)が7回1失点の好投。昨年の不振から立ち直る兆しを見せ、プロへの夢をつなぐ投球だった。チームは優勝した08年以来、4年ぶりの8強進出。また伯和ビクトリーズ、パナソニックもベスト8に名乗りを上げた。21日は2回戦2試合と準々決勝1試合が行われる。

 応援団に帽子を振る姿は自信にあふれていた。昨年のエース大城が、大舞台で復活した。

 「四球がなかったし、ストライク先行でいけた。きょうはテンポに気をつけて投げた」

 130キロ台の直球とスライダー、チェンジアップだけで相手打線を翻弄(ほんろう)した。7回を投げ、3回1死からの5者連続を含む8奪三振。2―1の7回2死二塁では、114キロのワンバウンドになるチェンジアップで空振り三振を奪った。打てそうで打てない。左手を体に隠し、球の出どころを見えづらくする変則フォームで相手打線を1失点に封じた。

 昨年はドラフト候補に挙げられていたが、夏以降、調子を落とした。都市対抗では10月25日の初戦の王子製紙戦で先発を任されるも、3回1/3で5失点KO。直後のドラフトでは、チームメートで同じ技巧派左腕の嘉弥真がソフトバンクから5位指名され、自身は指名漏れした。大久保秀昭監督は不振に陥った理由を「プロを意識し過ぎて力み過ぎていた」と言い、大城は「それもないことはない」と話した。

 だから今年は、なるべくプロのことは考えないようにしている。「とにかくチームで結果を出すことが第一。(プロは)その先のプラスアルファという感じ」。この日もネット裏にはスカウトがいたが、力まなかった。力めば腕の振りが鈍り、チェンジアップが抜けなくなることはもう分かっている。「去年のリベンジをしてやろうと思ってたので良かった」。まずは都市対抗を制して史上最多の10度目の優勝を手にする。その先のことは天に任せる。

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