栗山野球のこだわり…「2番」鶴岡初起用で前半戦締めた

[ 2012年7月18日 06:00 ]

<日・西>試合後、中田(右)とハイタッチする日本ハム・栗山監督

パ・リーグ 日本ハム3-1西武

(7月17日 札幌D)
 試合後の通路。日本ハム・栗山監督は両手を膝についてかがんだまま、しばらく動けなかった。

 「この3カ月、外から見ていたのとは違った。もっと考えないといけないと思わされた」。球宴前最後の試合を白星で締めて2位ターンを確定させた。84試合を全力で戦い抜いてきた新人監督は、疲労困ぱいだった。

 節目の一戦でも動いた。開幕前から鍵を握る打順としてこだわってきた「2番」に今季初めて鶴岡を起用。その鶴岡が決めた2つのバントはいずれも得点につながった。走者が出れば盗塁、ヒットエンドランと積極的に仕掛けた。「相手が悩むぐらい、いろいろ仕掛けて種をまいていきたい」。そう話していた開幕当初と同じ戦い方で前半戦の有終の美を飾った。

 勝てば翌日の試合のデータ収集、負ければ反省の繰り返しで開幕から眠れない日々が続く。「泥沼の中にぽつんと1人で居る状況になったこともあった」。札幌市内のホテルで1人暮らしだが、スポーツキャスター時代から「第二の故郷」としていた北海道夕張郡栗山町まで車で1時間近くかけて帰ってリフレッシュしたことも何度となくあった。最後まで諦めない野球を掲げる今季。いわゆる「負け試合」はつくらず「1点ビハインドは同点と思ってくれ」と中継ぎを投入する。84試合中1点差試合が12球団で最多の32試合。勝敗こそ15勝17敗だが終盤に追い上げるケースも多く、ベンチは常に緊張感を保っている。

 これで首位・ロッテに1・5ゲーム差。「優勝に向かって泣き笑いできる権利を得た。後半は一試合一試合を大事にしよう」。試合後、ナインを前にゲキを飛ばした指揮官。勝負はここから。後半戦も全力で栗山ハムが突っ走る。

 ▼日本ハム・中田(4打数無安打で前半戦終了)みんな頑張っているのに、1人だけ何をやってるんだろうって感じ。自分が情けない。

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2012年7月18日のニュース