鳥谷ドロー粉砕サヨナラ打!虎党のブーイング吹き飛ばした

[ 2012年7月15日 06:00 ]

<神・ヤ>延長10回2死一塁、サヨナラ打の阪神・鳥谷(右から2人目)はナインと抱き合って喜ぶ

セ・リーグ 阪神3-2ヤクルト

(7月14日 甲子園)
 虎党の雄叫びの中で、阪神・鳥谷の打球が左翼線で弾んだ。10回2死一塁。3時間30分を過ぎた状況で、バットを思い切り振り抜いた。ボールが左翼フェンスの上で2度弾む。その間に一塁走者の大和が一気に本塁へ。左翼線へサヨナラ二塁打。甲子園が一気に沸き返った。

 「何とかつないでいこうという気持ち。飛んだところが良くて、サヨナラになって良かった」

 延長10回。2死から大和が遊撃内野安打で出塁する。時計は午後9時27分すぎ。それ以上、延長イニングに入らない規定の3時間30分まで3分もなかった。ここでヤクルトベンチが動く。荒木チーフ兼投手コーチがマウンドへ向かった。「こっちはもう1回やりたかった。勝たないといけないから」と和田監督。引き分け狙いの時間稼ぎとみたファンは、大ブーイングを浴びせた。そして試合再開。勝つか、引き分けか。鳥谷の快打がブーイングを歓声に変えた。

 「あそこに飛んでくれ、という理想通り。カウント3ボール1ストライクから積極的にいってくれた」。和田監督も興奮を隠せない。そして「大和の粘りと出塁が大きかった」と、2死無走者から塁に出た2番打者を褒めた。大和は俊足を飛ばして一塁へ猛烈なヘッドスライディング。「追い込まれていたので、何とか塁に出ようと思った」という必死なプレーに、野手キャプテンの鳥谷も「大和も気持ちが出ていた」と胸を打たれた。

 今季4度目のサヨナラ勝ち。鳥谷にとっては10年7月20日の広島戦(甲子園)以来、2年ぶり6度目だ。球宴まで残り4試合。「甲子園での4試合を全部勝ちたい」とヒーローがお立ち台で宣言すれば、指揮官は「気象庁より先に(チームが)梅雨明け(宣言が)できるよう頑張ります」と誓った。いまだ借金は7。それでも誰もが、逆襲の思いを心に秘めている。

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2012年7月15日のニュース