桐光のダンサー球児!世界大会2位の武 腰くねらせ初安打

[ 2012年7月15日 06:00 ]

<桐光学園・厚木北>3回、中前打を放つ桐光学園・武

神奈川大会2回戦 桐光学園4―0厚木北

(7月14日 平塚)
 第94回全国高校野球選手権大会(8月8日から15日間、甲子園)の地方大会は、38大会で382試合が行われた。神奈川大会では桐光学園の1年生、武拓人(ひろと)内野手が厚木北戦に「2番・遊撃」でスタメン出場し1安打2犠打をマーク。小学生時代にダンスの世界大会で準優勝した経験を持つ異色の球児が、チームを初戦突破に導いた。15日は46大会で428試合が行われ、沖縄大会では全国トップを切って代表校が決定する。

 腰をくねらせ、投手をにらむ。1メートル71と小柄な体ながら、武の動作には1年生とは思えない貫禄も漂っていた。3回、先頭で打席に入ると、フルカウントからの6球目を中前へ。初めての夏に、記念の一打を放った。

 「ヒットを1本打てて良かったです。2番打者として、最低限の仕事はできました」

 背番号14ながら、強豪校で1年春からスタメン出場を続ける。初回、7回にはきっちりと犠打を決め、守備では3つのゴロを無難にさばいた。「(自分の売りは)守備。もっとうまくなって守備から流れを持ってくる選手になりたいです」と自信をみせた。

 異例の「ダンサー球児」だ。こばと幼稚園時に姉が習っていた影響でダンスを始め、高砂小3、4年時には世界大会に出場。「床の上でクルクル動くような」ブレークダンスを武器に、準優勝を果たした。軽快なフットワーク、打撃での体重移動など、野球の基礎をダンスで培った。

 小5で野球に出合い、ダンスはあっさりやめた。「友達と野球をして遊んでいて、野球が楽しかったから」と野球熱が上回ったからだ。中学では高橋周平(中日)が巣立った湘南クラブボーイズで技術を磨いた。体全体でタイミングを取る打撃フォーム。「特に意識はしていないです」と笑う。軽快なリズムを刻みながら、ダンスならぬ、本物の甲子園を目指す。

 ◆武 拓人(たけ・ひろと)1996年(平8)9月19日、神奈川県生まれの15歳。小5から野球を始め、高浜中では湘南クラブボーイズに所属しポジションは遊撃手。桐光学園では1年春からベンチ入り。1メートル71、68キロ。右投げ左打ち。

 ▼桐光学園・松井(毎回の17三振を奪い3安打完封)緊張はなかった。連戦に耐えられるフォーム、体力づくりを心掛けています。

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