マエケン、巨人止めた!7回2失点9勝目&V二塁打

[ 2012年7月12日 06:00 ]

<巨・広>6回2死一、二塁、前田健は村田を空振り三振に仕留め、雄叫びを上げる

セ・リーグ 広島4-2巨人

(7月11日 岐阜)
 マウンドで何度もほえ、広島。前田健は拳を握りしめた。慣れない地方球場、降り続いた雨、さらに巨人戦は自身4連敗中。数々の苦境の中で、7回2失点で首位・巨人の進撃を止めた。

 「相手も調子がいいし、凄い大事な試合と思っていた。その中で結果を出せたことは大きい」

 初回にいきなり四球と失策でピンチを招き、1死二、三塁から村田に右前適時打を浴びた。しかし、続く高橋由を二ゴロ併殺に仕留めると、2回から5回までは1人の走者も許さない。3点リードの7回無死一、三塁も内野ゴロによる1点だけに抑え、救援陣にバトンを託した。

 バットでも勝利に貢献した。同点で迎えた4回2死三塁。自ら左翼線へ適時二塁打。「打撃は大事にしている。凄く自分を助けた」と振り返った。投打にわたる活躍で、自身初の5連勝で巨人・杉内に並ぶハーラートップの9勝目。防御率1・49と合わせリーグ2冠に立った。

 楽天・田中、巨人・坂本とともに発起人となり、東日本大震災の復興支援などを目的に88年度生まれの選手で「88年会」を結成することが決まった。「同級生も多いし、世代的にも注目されているので、何かできないかな…と思いました」。その坂本に対しては4回無死から外角スライダーで空振り三振。6回1死一塁でも二飛に仕留めた。「意識しました。坂本には大事な場面で回ってくる。調子もいいし抑えないといけない」とライバルを封じた。

 「順調に勝ち星を重ねられている」。10勝12敗と不本意な成績で終わった昨季からの雪辱。今春キャンプでは松田元オーナーから直々にドラフト1位ルーキー、野村の指導役に指名された右腕が、チームを、セ・リーグを引っ張っていく。

 ≪プロ初5連勝で杉内に追いつく≫前田健(広)が杉内(巨)に並ぶリーグトップタイの9勝目。杉内が8勝目を挙げた6月5日時点で、自身は5勝と3勝差をつけられていたが、プロ初の5連勝で追いついた。また、10年10月7日から喫していた対巨人戦の連敗も4で止めた(通算7勝9敗)。この日は、打っても決勝の左翼線二塁打。広島の投手が、対巨人戦で勝利打点を記録し白星を挙げるのは、01年4月8日に高橋建が決勝弾を放ち完投勝利を収めて以来11年ぶりとなった。

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