34歳誕生日の武田勝 10試合、72日ぶり勝った

[ 2012年7月11日 06:00 ]

<日・ロ>5勝目を挙げた日本ハム・武田勝はお立ち台で誕生日ケーキを(左から)鶴岡と陽岱鋼に食べさせてもらう

パ・リーグ 日本ハム5-1ロッテ

(7月10日 札幌D)
 野球ゲームじゃなくても勝てた。34歳の誕生日に手にした、72日ぶりの勝利の味は格別だった。今季初めての本拠地でのお立ち台。日本ハム・武田勝は「やっと勝てました!一生の記念。忘れられない誕生日になると思います」。バースデーケーキを手に安どの笑みを浮かべた。

 今季初の鶴岡とのバッテリー。先制点を奪われても、直球を主体に攻めた。1点リードした6回2死からサブローに右中間二塁打を浴び、打席に好調・角中を迎えた。3ボールから追い込み、最後はチェンジアップで空振り三振。「ポイントになるところだと思った。うれしさのあまり自然と出た」と、ポーカーフェースの左腕が珍しく拳を握り、ほえた。

 4月29日楽天戦(Kスタ宮城)での完封勝利から9試合、勝てなかった。昨年は5試合連続で味方が無得点ということもあったが、その時よりも長い。開幕4連勝と最高のスタートを切りながら、黒星が白星を上回り、疲れから口の周りの吹き出物が増えた。気を紛らわすため、登板後は家に帰って野球ゲーム。打たれたらリセットして「先発・武田勝」が勝つまで戦った。ゲームの中の自分自身をみるみる成長させていったというが、この日は「本物」も、リセットのいらない快投劇。苦しかった2カ月半だったが「来年は(勝てない時期が)3カ月ですかね」と笑い飛ばした。

 リーグ戦再開後、6カード目でようやくカード初戦をものにした。「僕もだけど、チームにとっても大きな1勝」。左腕エースが、不調のチームに元気を注入した。

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2012年7月11日のニュース