野村 ルーキー最多6勝!防御率1・52で2位

[ 2012年7月9日 06:00 ]

<広・ヤ>ファンとハイタッチをする野村(手前)と広瀬

セ・リーグ 広島2-0ヤクルト

(7月8日 マツダ)
 爆発力があるツバメ打線も、制球自慢のルーキーにかかれば形無しだった。広島のドラフト1位・野村の真骨頂はどんな状況でも冷静でいられることだ。1点リードの6回1死一塁。4番・畠山と本塁打リーグトップの5番・バレンティンを、ともに2ボールと不利なカウントから抜群の制球力で空振り三振、二ゴロでピンチをしのいだ。

 7回を5安打無失点、三塁も踏ませない114球の熱投。チームを5連勝に導き、自身も4連勝で両リーグ新人トップの6勝目を挙げた右腕は「1つ上の(3位)ヤクルトなので、差を縮めるチャンス。いい流れで来ているので、止めないように…と思って投げました。勝ててよかった」と満足げに振り返った。

 恩師にささげる1勝でもあった。6日は母校・広陵の中井哲之監督の50歳の誕生日。野村は1年後輩の中田を連れて自宅を訪ねた。2軍で調整中の白浜、土生とOB4人でお金を出し合い、広島大会開幕を控えた後輩たちのために「リフレッシュに使ってください」と差し入れたのは、母校の近くにあるスーパー銭湯の入浴券。2日後の登板も白星で飾り、右腕は「いいプレゼントになれば…」とはにかんだ。

 オールスター戦(20、21、23日)にはセ・リーグの新人でただ一人出場する。指揮を執る中日の高木監督が2日の監督推薦発表前夜に、選出が内定していた中日・山内から急きょ野村に代えるドタバタ選考となったが、実績は紛れもなく球宴出場にふさわしい。防御率1・52は同僚の前田健に次ぐリーグ2位に浮上。野村本人は「防御率?まだ半分ですからね。1年終わってみて」と素っ気ないが、その制球力と安定感には磨きがかかるばかり。新人王・大本命の立場は揺るぎない。

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