角中 V打に打率トップも「まだ気にする時期ではない」

[ 2012年7月2日 06:00 ]

<オ・ロ>マスコットとともにポーズを決めるロッテ・角中

パ・リーグ ロッテ4-1オリックス

(7月1日 京セラD)
 初めて打率トップに躍り出たことを聞いても、ニコリともしない。決勝打を含む2安打で打率を・330に上げたロッテ・角中。試合後、いつもと変わらない実直な25歳がいた。

 「1日1本は打ちたいと思っている。(ランキングを)新聞で見るには見ると思うけど、気にする時期ではないので」

 読みが的中した。同点の6回1死満塁。2番手で登板した左腕・吉野には2日前に対戦し、8回2死満塁で三ゴロに抑えられていた。「同じ球でくるだろうから初球から狙っていった」。初球、外角130キロ直球を捉えると前進守備の一、二塁間をゴロで破る決勝打となった。さらに8回の右中間二塁打で前日まで打率トップの日本ハム・田中を逆転した。

 昨季は左投手には打率・167だったが、今季は・317と弱点を克服。左足に重心を残して、ギリギリまで球を見極めるフォームが固まったことで、体勢を崩されることはなくなった。今季、左打者を打率・189と抑えている吉野からの一打に「自分の形でタイミングを取れれば苦にならない」と胸を張った。

 シュアな打撃の原点は少年時代にある。父・稔さん(54)が自宅横の織物工場を打撃練習場に改築。小3の時から学校から帰ると約2時間打ち込むのが日課だった。「練習量は今より多かったかも。ティーで300、マシンで200打った。今の土台になっている気がする」と振り返る。

 首位打者の経験がある西村監督は「打率首位は素晴らしい。僕より全然上だよ」と称えた。今季は開幕2軍から5番打者の座を不動のものにした。独立リーグ出身選手として初の首位打者も夢ではない。

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2012年7月2日のニュース