斎藤 中島に不用意な1球「あのボール選んだのがミス」

[ 2012年6月30日 06:00 ]

<西・日>3回1死二塁、栗山に適時打を浴びうつむく日ハム・斎藤

パ・リーグ 日本ハム5-7西武

(6月29日 西武D)
 調子は良かった。直球は威力も切れも十分だった。しかし日本ハム・斎藤は勝てなかった。4回7安打5失点KO。敗戦投手にこそならなかったが、これで3試合、白星がない。

 「打たれた球は甘かった。調子が良かったからこそ、もっと直球でいくべきだった。チェンジアップとか余計な球は使わず、直球を基本に…」

 悔やんだのは3回。1死二、三塁で中島に3ランを浴びた場面だ。1ボール2ストライクからの5球目、真ん中に入ったチェンジアップは左翼席へと消えた。直前の4球目、内角に食い込むツーシームをファウルした中島は自打球を当てていた。内角を意識させていながら生かせない。「野球のセオリーで、(打つ)ポイントの近い打者にチェンジアップの高めは危ない。分かっているだろうけど、マウンドでできない」と吉井投手コーチ。「危ない球」はしっかり捉えられてしまった。

 伏線は直前の2番・栗山の打席にもあった。1死二塁、栗山へのチェンジアップは右翼ポール際へ。1度は本塁打と判定されながらビデオ判定でファウルに覆ったが、本塁打級の当たりを打たれた球を再び不用意に中島に投じた。「栗山さんのあの時点で(チェンジアップは)捨てるべきだった。あのボールを選んだのがミス」と斎藤。悔やんでも全てが遅すぎた。

 西武相手には5月12日(函館)でも1回1/3を9失点KO。そこから歯車が狂ったのか、1勝5敗と苦しむ。これで3試合連続で先制点を許す展開。吉井コーチは「プロのレベルは調子がいいから抑えられるわけではない。斎藤は知識も経験もあるが、マウンドで迷った時、考えたところに投げられる確率が低い」と分析する。「ここぞで間違わないのが本当の斎藤佑樹」と話す栗山監督。大事な場面の勝負の1球。だからこそミスは許されない。それを背番号18は求められている。

 ▼日本ハム・栗山監督 見ての通り球は悪くなかった。調子がいい悪いではなく、戦いの中で点を与えてはいけない。試合に勝つ大前提でやっていて、せっかく野手が必死でやっているのだから。

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2012年6月30日のニュース