広島の“お家芸” 天谷、先頭打者弾が起爆剤になるか

[ 2012年6月26日 09:15 ]

17日の西武戦で初回表初球先頭打者本塁打をマークした天谷

 プレーボール直後の本塁打は球場全体を一気に盛り上げる。17日の西武―広島戦(西武ドーム)で天谷宗一郎外野手(28)が今季両リーグ初となる初回表初球の先頭打者本塁打を放った。広島は元来初回先頭打者本塁打の多いチーム。お家芸を起爆剤に上位浮上を狙いたい。

 天谷が今季初めて先発1番に座ったのは13日のロッテ戦。以後6試合連続で1番を務め、28打数11安打(打率・393)と大暴れ。17日の西武戦で初回表初球を右翼に運んだ「プレーボールホームラン」は、広島では野村謙二郎(現監督)が01年9月27日巨人戦(東京ドーム)で放って以来、11年ぶりの珍しいアーチとなった。

 それでも広島は表、裏を合わせた初回先頭打者本塁打の通算本数が196本。2リーグ制後に創設された球団ながら、巨人の177本を抑え最も多い。個人別3傑は(1)高橋慶彦32(2)緒方孝市28(3)野村謙二郎21。同一球団で20本以上が3人は広島だけ。パンチ力のある1番打者を生む土壌がチーム内にあるのだろう。加えて衣笠祥雄8本、山本浩二3本と本来なら中軸を務める打者の先頭打者弾も数字の引き上げに貢献している。

 ただし、最近5シーズンの広島の先頭打者本塁打はセでは最少の6本。最多の巨人が21本だから3分の1にも満たない。今季広島で先発1番に起用されたのは梵の39試合ら5人。うち天谷は長打率が・643と突出している。チームの伝統を継承する、1番打者としてはうってつけ。今後定着できれば、史上初となる球団200本目の先頭打者弾も遠くなさそうだ。

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2012年6月26日のニュース