主将が口火…阿部、満塁先制打!有言実行5000万円頂き

[ 2012年6月17日 06:00 ]

<楽・巨>初回1死満塁、右前に先制の2点適時打を放つ巨人・阿部

交流戦 巨人10-1楽天

(6月16日 Kスタ宮城)
 優勝賞金5000万円のボードを掲げた巨人・阿部は、ベンチ前に並ぶナインにそれを見せ、いたずらっぽく笑った。両手に残る感触は、その金額に負けないくらい重かった。

 霧雨の中、Vへの視界を主将自ら切り開いた。初回1死満塁。不安定な先発・塩見の低め139キロを引っ張り、先制の2点右前打。なお2死二、三塁の場面では暴投の間に、二塁から一気に4点目のホームを踏んだ。2回にも左中間二塁打で続き、8点目の生還。3安打でリーグトップの打率を・318に引き上げた背番号10は、15安打10得点の猛攻をけん引した。

 「みんなが打線の中で役割をきっちり果たしている。だからきょうもこういう戦いになった。全員で頑張って、ここまでこられた」。交流戦3戦目の5月19日ソフトバンク戦(東京ドーム)。決勝2ランの阿部は「5000万円をもらいたいと思います」とお立ち台で誓った。ファンサービスでもあったが、有言実行の頂点。セ球団優勝一番乗りに「うれしいし、来年以降も勝てるようにしたい」と宣言した。

 前夜の決起集会。選手会長の内海が乾杯の音頭をとり盛り上がった最後に、締めたのが阿部だった。「まずこの2試合。あす勝って、交流戦優勝して。勢いつけてペナントレースへ向かいましょう」。主将として、調子の上がらない開幕直後には「下を向いてもしようがない。浮足立つのが一番いけないこと」と言い聞かすように話し、誰よりも矢面に立ち続けてきた。そんな主将の言葉に、杜の都でチームは再び一つになった。

 「いい弾みにしないといけないし、これが目標ではない」。歓喜の直後には気持ちをペナントへ切り替えた。この日も4回以降は失策による1得点と攻めあぐねた。「あすはもっときっちりした野球をやらないと、ペナントへ流れをつくれない。もう一回、みんなで気持ちを入れ直してね」。鋭い視線で先をにらむ。交流戦で得たこの手応えを真のゴールにつなげるために。

続きを表示

2012年6月17日のニュース