中畑監督「監督業で一番楽しい」５投手継投で完封勝利

＜ソ・Ｄ＞今季初勝利を挙げたブランドン（左）を出迎えるＤｅＮＡ・中畑監督

交流戦 ＤｅＮＡ１－０ソフトバンク

（6月16日 ヤフーＤ）
　こんな勝ち方もできる。「スミ１」を守り切り、ＤｅＮＡ史上初の１―０完封勝利。交流戦最下位で並んでいたソフトバンク相手に交流戦初のカード勝ち越しを決めた中畑監督は、会心の笑みを浮かべた。

　「スミ１の１点を守り切っての勝利は凄い価値がある。こういうことがあってもいいよな」

　初回、ラミレスの適時二塁打で１点を先制。先発のブランドンが３回まで無安打に抑える好投を見せると、中畑監督のベンチワークもさえわたった。「一番苦しい試合の勝ち方（１―０）をすれば、チームが一皮むける」と「スミ１完封」に照準を定めた。６回１死二塁のピンチでは、左翼の下園に代えて森本を早くも守備固めとして投入。ブランドンも６回わずか７９球で降板させ、早めの継投策に持ち込んだ。

　９回は５番手・山口が２死一、三塁のピンチを招きながらも切り抜けた。今季３度目の完封勝利だが、継投は初めてだ。

　勝負の行方を大きく左右する投手交代。開幕当初は友利投手コーチに「どうする？」と聞いてから策を講じていたが、最近は自ら「代えよう」と自信を持って決断を下す場面が増えた。リリーフ陣もここ１０試合はわずか３失点で防御率０・７７。「監督業で一番楽しいのは継投」とまで言い切れるようになった。

　１７日の同戦に勝利すれば交流戦最下位はなくなる。中畑監督は「余計なことは考えないで、一つ一つを大事に戦っていきたい」。チームの成長を確かに感じ取った１―０勝利だった。