投げて打って、走ってもスゴイ岸「全体的に普通でした」

[ 2012年6月12日 06:00 ]

<ヤ・西>3回無死、中前打を放つ岸

交流戦 西武5-1ヤクルト

(6月11日 神宮)
 投げて、打って、走って。ヒーローインタビューでは、敵地のファンから「全部良かったぞぉ!」と声が飛んだが、西武・岸は拍子抜けするコメントで笑いを誘う。「全体的に普通でしたけど打線が援護してくれた。(2安打は)たまたまバットに当たってくれた。もうないので期待しないでください」。涼しい表情で引き揚げる姿にはエースの風格が漂っていた。

 8回を3安打1失点で、チーム単独トップの6勝目。完投を念頭に置いての投球だった。序盤の3回まで36球中13球がカーブと縦の変化の残像を植え付け、4回2死まで無安打。中盤以降は直球で押した。7回1死一、二塁のピンチも松井淳を内角138キロ直球で遊ゴロ併殺打に仕留めた。

 打っても魅せた。「軽いので振りやすい」と同僚の原から借りたバットで3回に石川の内角カットボールを中前に運ぶと、敵失で二塁へ激走。その後三塁に進むと、暴投で先制のホームを踏んだ。6回も石川の武器である外角低めのシンカーを中前打し、中島の適時打で再び生還。「西口さんも(交流戦で安打を)打ったし自分も打ちたかった。今年一番疲れた」と苦笑いを浮かべた。

 この試合まで通算30打数3安打、打率・100だったが、野球センスの高さはチーム随一だ。全身バネのような細身の体で50メートルは同僚の片岡を上回る6秒0で駆け抜け、試合前練習では遊撃で華麗な守備を見せる。9回のマウンドは譲ったが、渡辺監督は「走り疲れたし、普段はああいうことがないからね」と労をねぎらった。

 クールにみられるが、ハートは熱い。「体力的にいけるなら志願してでも完投したいと思っている」と口にしていた。涌井に復帰のメドが立たない中、エースとして期待される立場は自覚している。東北学院大では大学選手権で1度しか立てなかった神宮のマウンド。4試合目でプロ初勝利に「そんなに…どうでもいいです」と前を見据えた。「きょうは楽しんでもらえたと思うので西武ドームでも応援よろしくお願いします」。6月反攻へ、岸がチームを引っ張る。

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