サヨナラ打の村田 坂本敬遠にムッ「一応、巨人の4番」

[ 2012年6月10日 06:00 ]

<交流戦 巨・西>9回1死一、二塁、サヨナラ打を放った巨人・村田は、チームメートから手荒い祝福を受ける

交流戦 巨人4-3西武

(6月9日 東京D)
 巨人の村田修一内野手(31)が9日、西武戦の9回1死一、二塁から中前へサヨナラ打を放った。4年ぶり7度目のサヨナラ打で巨人移籍後初めて。交流戦では通算4本目で最多となった。チームも今季初のサヨナラ勝ち。交流戦首位をキープし、10日に2位・ロッテとの直接対決に勝ち、3位の日本ハムが敗れれば交流戦優勝マジック4が点灯する。セ・リーグ初の交流戦制覇へ、「男・村田」が巨人に勢いをもたらした。

 村田はネクストバッターズサークルでしばらく足元に視線を落とした。同点の9回1死二塁から坂本が敬遠。少しムッとしたような表情は、顔を上げると消えた。4番勝負。中前にはじき返し、右手を突き上げた。ナインから叩かれ、蹴られ、もみくちゃにされた。お立ち台では4番の意地を隠さずに力強く言った。

 「いいところで回ってきたら決めてやろうと思った。一応、巨人の4番を任されていますから。勝ちを求めてこの球団に来たし、あのケースで打たなきゃ意味がない。巨人に来てよかった」

 4打数無安打。走者を置いた打席で3度凡退していた。9回に追いつかれ、またも好機が訪れた。坂本敬遠でだ。原監督は言う。「本人の中で火を付けたというのはあるでしょう」。村田の心は熱かったが、頭は冷静だった。「打率も得点圏打率も(坂本)勇人の方が高い。歩かされると思っていた」。1ボール1ストライクからワンバウンドのスライダーを空振りした。追い込まれたが、逆に確信した。「全くタイミングが合っていない同じ球を投げてくると。ボール球だったけど予測の範囲内。そういう意味ではさえていた」。読み通り。4球目の低めスライダーを狙い打ちした。

 10日にも交流戦優勝マジック4が点灯する。2位・ロッテとの直接対決。原監督は「成瀬を何とか攻略するのが一番、重要だと思いますね」と自信を見せた。交流戦8年目で初のセ・リーグ制覇へ。村田は言う。「チーム状態は凄くいいので、この勢いに乗ってやっていきたい」。横浜では味わえなかった優勝。村田は巨人の4番として、その二文字をつかむ。

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