イチ21打席ぶり安打!ムネのおかげ「第三者としては世界一」

[ 2012年6月8日 06:00 ]

エンゼルス戦の8回、右中間に本塁打を放つマリナーズのイチロー

ア・リーグ マリナーズ8―6エンゼルス

(6月6日 アナハイム)
 マリナーズのイチロー外野手(38)は6日(日本時間7日)、エンゼルス戦でメジャー通算99本塁打となる4号ソロを含む2安打2打点。連続打席無安打を20で止めた。

 重苦しい空気を打ち破るのは、自らのバットしかない。8回、イチローは初球の甘いチェンジアップを右中間席に運んだ。リードを2点に広げる貴重な一発は、自身メジャー通算99号となった。

 「周りが重くしてくれましたからね。僕、そんな無神経じゃないから。そう(=打てないと)言っても3試合ですからね。うっとうしい」

 試合後は「不快感」を示したイチロー。「打てないこと」がニュースとなるのは宿命だけに、イチローの場合は「たかが」3試合が「されど」3試合となる。本塁打の前の打席となった6回2死一、三塁では、逆転の口火となる左前適時打を放ち、4試合、21打席ぶりに快音をとどろかせていた。

 2日のホワイトソックス戦で2打席連続本塁打を放った直後から悪循環が始まった。打つポイントのずれから微妙に差し込まれ、その結果、力ない内野ゴロを重ねることになる。逆に、今度は差し込まれまいとタイミングを早くするとファウル、あるいはポップフライになる。この20打席もその繰り返し。早いカウントから仕掛けたり、セーフティーバントを狙ったことも。「迷いもありますよ。それはそうですよ」と素直な気持ちも吐露した。

 だが、昨季と違うのはベンチに川崎がいることだ。「ムネは過去にさかのぼって僕のことを見ている。第三者としては世界一」と表現する後輩と、問題点をぶつけ合い「ムネとは技術的な話もしながら、この2日間はいた」と振り返った。

 特にタイミングの取り方については、シーズン前から技術談議を重ねていた。球に差し込まれることに対し、タイミングの取り方を相談した川崎に、イチローは「早い方が修正が利くよ。(ボールに)押されるような重みを感じるからね。今でもあるよ、それ」と素直な気持ちを語っていた。

 実績こそ大きく違う2人だが、今、抱える問題は似通っている。イチローは「僕の見られない角度から、僕のことを見られる。僕にとっては強いカード」とトンネル脱出に貢献した後輩へ感謝の言葉を口にした。

 ≪最悪は24打席≫イチローの連続打席無安打のメジャーでの自己ワーストは、05年7月30日インディアンス戦の第4打席から8月5日ホワイトソックス戦の第4打席にまたがって記録した24打席。試合数でもこの間に記録した5試合がワースト。3試合連続無安打は今回で13度目。無安打が4試合連続に伸びれば、06年4月以来6年ぶりとなっていたところだが免れた。

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