バランス悪いフォーム修正…唐川 ダル流で白星つかむ

[ 2012年6月4日 06:00 ]

<ロ・中>ロッテの唐川は5回を7安打2失点でリーグトップタイの6勝目

交流戦 ロッテ5-2中日

(6月3日 QVC)
 左右のバランス。投球、打撃とあらゆる局面で必要とされる要素を、ロッテ・唐川侑己投手(22)が取り戻した。レンジャーズ・ダルビッシュ有投手(25)も行う、利き腕とは逆の左投げでのキャッチボール。5月5日の西武戦(西武ドーム)以来、1カ月ぶりの白星を、唐川はダル流の調整法で手にした。

 歩く時でさえ、人はバランスを気にする。繊細な投球フォームとなれば、その重要度は計り知れない。唐川にとって最もバランスの取れた1球は、5回2死一、三塁。2ボール2ストライクからの5球目、125キロスライダーを外角に投げ和田を一邪飛に仕留めた。

 「3回以降は体重移動がいい方向に出た。和田さんの時も悪くなかった」。長打の確率が最も低く、空振り三振も狙える外角低め。唐川はピンポイントで制球した。持ち味でもあるが、ここ数試合はそのバランスが崩れていた。いかに立て直すか。ヒントは、ダルビッシュの練習法にあった。

 5月27日広島戦(マツダ)は6回3失点。重心が高く上体が突っ込み、抑えの利かないスライダーがワンバウンドした。本人も納得できず、試合後は「きょうは何もないです!」と珍しく声を荒らげた。翌28日の練習では、左腕用のグラブを手にキャッチボールで左から約30球。西本投手コーチは「ダルビッシュもやるでしょう。(自身が)勝てなくて焦ってフォームが狂った。バランスの修正だよ」と説明した。

 普段と逆の動きを取り入れることで、体幹を中心に左右の平衡感覚を養う。そのバランスが取れれば、自然と重心も下がる。唐川も右腕が遅れ気味に出てくるフォームを、鏡に映すかのように左腕で丁寧に再現した。レイズ・松井も右打席でトス打撃を行う。何より大切な左右のバランスを整え、体重移動がスムーズになるよう心を砕いた。

 5回7安打2失点もリーグトップタイの6勝目。右腕エースが、左から復調のきっかけをつかんだ。

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2012年6月4日のニュース