由伸、快挙“応援弾”「今年一番と言っていい当たり」

[ 2012年5月31日 06:00 ]

<巨・楽>7回1死、左中間に2ランを放った高橋由はガッツポーズ

交流戦 巨人2-0楽天

(5月30日 東京D)
 一塁を回ると突き上げた右手を、2度、3度振った。巨人の37歳が珍しく繰り出したガッツポーズ。7回2死一塁から左中間席中段へ運ぶ決勝弾。マウンドでぼう然とする田中を尻目に悠然とダイヤモンドを一周した。

 「今年一番と言っていい当たりが最高の場面で出た。相手投手も良かったが、杉内もそれ以上だった。何とかしたかったし、本当にうれしい」

 1ボール1ストライクの甘い直球を見逃さなかった。田中からは通算3安打がすべて本塁打だ。07年6月26日(フルスタ宮城)。新人だった田中が巨人戦初登板で白星を飾った。高橋由は3回に145キロの直球をバックスクリーンへ。点差が開いた7回は2球続いた直球を右中間席に運んだ。新人があえて挑んだ直球勝負を返り討ち。5年前もこの日と同じような苦笑いを田中に浮かべさせた。「打ったのは覚えているけど、そこまでは覚えてないな。あの時とは違うからね、お互い」。お互い立場は変わっていくが、田中の前に立ちはだかる存在なのは変わっていない。

 プロ15年目で初めて無安打無得点試合の達成に加わった。9回、右翼の守備位置での心境を「なかなか経験できることじゃない。緊張しながらもいい経験だなあと両方でしたね。守った僕もいい思い出というか幸せでした」と振り返った。

 この試合まで4戦、安打がなかったが、大事な場面でベテランの力を示した。「そういう試合で打てて(杉内と)お立ち台に並んだ。いい思いをさせてもらいました」。杉内の快投とともに記憶に残る一発になった。

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2012年5月31日のニュース