松井、昇格即弾!得意の「遅刻」が吉兆だった!?

[ 2012年5月31日 06:00 ]

<レイズ・ホワイトソックス>4回2死一塁、右越にレイズ1号を放った松井

ア・リーグ レイズ2-7ホワイトソックス

(5月29日 セントピーターズバーグ)
 昇格即、ゴジラ弾だ!レイズの松井秀喜外野手(37)が29日(日本時間30日)、ホワイトソックス戦の4回に右翼へ今季1号2ランを放った。この日、傘下の3Aダーラムからメジャーに昇格。いきなり「6番・左翼」で先発出場し、昇格を自ら祝う号砲をぶちかました。当日移動で飛行機の遅延により全体練習に参加できなかったが、そんな時こそ活躍する「遅刻王」らしい一発。松井のメジャー10年目のシーズンが、華々しく幕を開けた。 
【試合結果】

 やはり松井の輝く場所は、メジャーの舞台だった。4回。「完全男」右腕ハンバーの初球、90マイル(約145キロ)の外角直球を高々と右翼席中段へ運んだ。さっそうとベースを一周…。しかしその姿には、ほんの少しだけ違和感があった。この日合わせたユニホームのズボン丈が短いというハプニングはご愛きょうだ。

 「間違えてサイズを注文したらしいんだよね。ちょっと短いんだよ。(プレーへの影響は)大丈夫だったけど」

 豪快なスイング、完璧な当たりを「甘い球だけど、しっかり打てたと思う。いい打撃だった」と自画自賛した。3Aの13試合で打率・170、0本塁打と低迷していた姿とは別人。メジャーに上がったことで、自然な気持ちの高ぶりが「あったのかもしれない」。加えて松井が力を発揮する条件がそろっていた。合流初戦という「大舞台」。そして不可抗力ながら「遅刻」したことだった。

 この日は午前10時26分発の飛行機でインディアナポリスを出発。アトランタ経由で午後2時にタンパに到着予定も、乗り継ぎ便出発が豪雨のため41分遅れた。3時半頃に球場到着。さらに諸手続きに時間を要し、全体練習に参加できなかった。それでも体調を確認してきたジョー・マドン監督に「アイム・レディ(準備できている)」と即答。「ケージで多少打った」という最低限のルーティンだけで臨み、最高の結果を出した。遅刻は吉兆。巨人時代の95年の球宴第2戦では3安打でMVPに。09年のヤンキースでのワールドシリーズ第2戦でも決勝弾。大舞台と遅刻は、松井と切っても切れない関係だ。

 アスレチックスに在籍した昨年9月9日のレンジャーズ戦以来となる本塁打。自身の開幕戦ではメジャー10年で5発目となった。2カ月遅れの開幕で本拠地のファンに強烈な存在感を示すとともに、人工芝のトロピカーナ・フィールドの守備も「多少不安はあったけど、やってみて大丈夫だった」と手応えを得た。

 26日からの4日間で合計で約3100キロを移動。そしてドタバタのメジャー初日にも「大丈夫」と笑い飛ばした。「忘れられない一発?」と問われると「どうですかね。なるのかもしれないですけど、どうかな…」と真剣に考え込んだ。あくまでマイペースが持ち味。ゴジラが逆襲の号砲を、高らかに鳴らした。

 ▼レイズ・マドン監督 本塁打は凄かった。ゴロでも一生懸命走っている姿も良かった。長時間移動してきたにもかかわらず、懸命にプレーしていた。彼のようなベテランは尊敬に値する。

 ▼ホワイトソックス・福留(レイズと対戦も、松井が遅刻し対面できず)松井さんの復帰1試合目に自分がいられるのも、何かの縁なのかな。メジャーで活躍している姿を見ることができてうれしい。

 ▼星稜野球部・山下智茂総監督(松井の恩師)ニュースで見ました。3Aで苦しんだ悔しさを一気にぶつけた感じでしたね。スイングが全然違う。3Aでは結果にこだわって当てにいく打撃でしたが、きょうは思い切り振っていた。このフォームで打てれば今後も活躍できると思います。

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