18歳・釜田 プロ1勝 高卒ルーキー一番乗り

[ 2012年5月28日 06:00 ]

<ヤ・楽>2度目の先発で高卒ルーキー一番乗りのプロ初勝利を挙げた楽天・釜田

交流戦 楽天4-1ヤクルト

(5月27日 神宮)
 納得はしていない。それでもプロとして一歩を踏み出せたことを素直に喜んだ。今季の高卒新人では12球団一番乗りとなるプロ初勝利を手にした楽天ドラフト2位の釜田は「こんなに早く勝てるとは思わなかった。四球が多くて素直に喜べないけど、この初勝利を両親に伝えたい」とはにかんだ。

 金沢2年だった10年秋の神宮大会以来、2度目の神宮のマウンド。序盤は極度の緊張から投げ急いだことで直球は引っ掛かり、変化球は抜けた。立ち直るキッカケは2回。1死満塁で走者を気にする必要がなくなったことで「思い切り腕を振ろう」と開き直れた。ゆったりしたフォームを取り戻して田中、館山を連続三振。相手先発の館山を観察する冷静さも生まれ3回以降は「力みない投球を参考にした」。6回0/3で99球を投げ4安打、4四死球も1失点に抑えた。

 プロ初登板だった20日の阪神戦(甲子園)は3回3失点(自責1)ながら最速153キロ。この日の最速は149キロだったが球威、制球も前回にはほど遠かった。星野監督は25日にKスタ宮城でのブルペン投球を視察。制球難を露呈した右腕に「前で離せ」とリリースポイントについて助言しただけで、あえてフォームの問題を指摘しなかった。理由は「考えさせると迷う。釜田は大きく育てたい」。荒れ球ながら迷いなく腕を振って攻め込み、18アウト中、フライアウトが9。指揮官は「釜田は1勝がついたのは大きい。田中のように成長してほしい」と目を細めた。

 高卒1年目だった07年に田中が先発勝利を挙げたのは4試合目。釜田は2試合目の先発で早くも白星を挙げたが「田中さんは1年目で11勝。新人王と11勝を意識していきたい」。まだはるか先にある田中の背中を追いかけ、18歳がスタートを切った。

 ◆釜田 佳直(かまた・よしなお)1993年(平5)10月26日生まれ、石川県小松市出身の18歳。金沢では1年秋からエース。3年時に春夏連続甲子園出場を果たし、春は1回戦、夏は3回戦で敗退。高校時代は「北陸の超特急」の異名を取った。11年ドラフト2位で楽天に入団。最速は153キロ。1メートル77、78キロ。右投げ右打ち。

 ▼楽天・佐藤投手コーチ(釜田について)緊張して力んでいたけど、強い球がいっていたからフライを上げてくれた。勝ってよかったね。

 ▼楽天・小山桂(釜田とバッテリーを組み)ボールは良かったり、悪かったり。ばらつきもあったから2試合分ぐらい疲れた。

 ▼楽天・枡田(4回に追加点となる左犠飛)釜田のためにも1点でも多く点を取りたいと思った。

 ≪3人がそろってプロ初勝利≫この日は新人の釜田(楽)、2年目の武藤(中)、3年目の星野(巨)がそろってプロ初勝利。同日に3人がプロ初勝利は10年4月25日に、ともに新人の大谷(ロ)、加賀(横)と3年目の山内(中)で記録して以来。また、それ以前では05年4月24日に新人の能見(神)と久保(ロ=現阪神)、3年目の吉川(ヤ)が初白星の例がある。

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2012年5月28日のニュース