代打・塩谷決めた!逆転打&火消し 京都マジック1

[ 2012年5月27日 08:00 ]

逆転タイムリーを放つ京都の塩谷千晶

 日本女子プロ野球リーグは26日、神戸総合運動公園サブ球場で前期の2試合を行い、京都が5-4で兵庫に逆転勝ち、大阪も7-3で兵庫を下した。この結果、京都は11勝3敗で首位を独走、優勝マジックを1とした。大阪と兵庫が5勝9敗で並んでいる。

【日程と結果 勝敗表】

 初優勝に向かう京都は勢いが違った。1点を追い掛ける最終回、2本の安打を絡めた1死二、三塁の好機に期待された4番川端友紀は一塁ゴロで凡退。2死二、三塁と絶体絶命の窮地に立たされた際に代打を告げられたのが、隠し兵器の塩谷だった。

 「監督からいざという時には行くから、用意をするように言われていました」。本来ならば守護神として投手陣の最後のとりでとなるはずが、この日は攻撃陣の救援に駆り出された。兵庫の2番手坪内にフルカウントと追い込まれ、あと一人コールが起きる中で6球目の内角低目直球を強引に引っ張った。詰まりながらも打球は三塁線を破り、2人が一気に生還。土壇場で大逆転劇を引き起こした。

 「私、実は坪内さんと相性が良くて好きなんです。良く打ってると思います。絶対に打ってやるという思いしかなかった」。坪内は右横手投げであり、右打者の塩谷にとっては苦になるはずだが、本人は「バットの軌道がぴったり合う」と自信満々で打席に臨んでいた。

 京都の佐々木恭介監督も「待ちに待ったタイミングで塩谷を出すことが出来た。狙い通りの代打。右打者でも塩谷は坪内に分がいいと知っていた」と采配が的中し、してやったりの表情だった。

 投げても塩谷は、守護神としてその裏の守りでマウンドに上がった。「みんなが作ってくれた試合を最後の最後まで守ることに喜びを感じて投げている」。1死満塁の大ピンチを作ったが、最後は5番岩谷を遊撃併殺打で打ち取り、リーグトップの7セーブ目を挙げた。

 自らが打って奪った点を自らが守り抜いた勝利。塩谷の活躍で優勝マジックはついに「1」となった。京都の初優勝はもう揺るがない。

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2012年5月27日のニュース