田島１死満塁のピンチ　わずか１球で併殺斬り

＜日・中＞７回１死満塁、ホフパワー（左）を併殺打に仕留め、ガッツポーズする田島（右）

交流戦 中日４－２日本ハム

（5月26日 札幌Ｄ）
　絶体絶命の局面で肝っ玉ルーキーが輝いた。２点リードの７回１死満塁の場面で登板した中日の田島が代打・ホフパワーを二ゴロ併殺にしとめ、わずか１球でピンチを脱出。１回２／３を無失点でしのぎ、チームに今季最多の貯金１０をもたらした。

　強いハートが好投の原動力だった。「ゴロで間を抜かれたら仕方ない。割り切って、低めに投げればいい」。一打逆転の場面。田島は長打力のある打者に対し、恐れず腕を振った。初球１４８キロの内角直球で注文通りの二ゴロ併殺。さらに８回２死一塁では、同い年の中田に全球直球勝負を挑んだ。「出てくる時は“おお、中田だ”と思いますが、自分のやることに変わりはないので」。野球界では無名の高校（中部大一）、大学（東海学園大）出身ながら、地道に実力を磨いてきた男はスター街道を歩んできた相手を、外角低め１４７キロ直球で見逃し三振にねじ伏せた。

　前日の試合後、変化球の精度を欠いた右腕を叱りつけた権藤投手コーチも「力が違う。大事に使わないと」と目を細める。今季８ホールド目を挙げ、防御率は０・５７。浅尾不在の中、田島にかかる期待は日増しに大きくなる。