サブローが巨人止めた 在籍155日の読み勝ち弾

[ 2012年5月27日 06:00 ]

<ロ・巨>3回裏2死から3ランを放ったサブローはベンチ前で「ダァー」

交流戦 ロッテ5-2巨人

(5月26日 QVC)
 ロッテは26日、パ・リーグ首位の意地を見せ、交流戦負け知らずだった巨人の連勝を10で止めた。4番のサブロー外野手(35)が1点リードの3回に価値ある3号3ラン。昨季途中に巨人に移籍し、今季復帰したベテランが、沢村拓一投手(24)の性格を読んで見事に狙い打ちした。これで交流戦でも2位タイに浮上。06年以来6年ぶりとなる3度目の交流戦Vを目指し、背番号3がチームをけん引する。

 心は高ぶった。だが頭の中は冷静だった。サブローは、沢村の性格、捕手・阿部の傾向から、内角直球が来ると信じていた。3回だ。井口の左翼線二塁打で1点先制し、なおも2死二、三塁。初球は内角直球。そして2球目も同じコースだった。見逃せばボールかもしれないが、迷いはなかった。

 打球は高々と舞い上がると、巨人ファンで埋まった左翼席中段で跳ねた。「感触は完璧やった。ただ、打球が上がり過ぎたし、微妙な風も(右翼から本塁方向に)吹いていたので“どうかな”とも思った。でも、だいぶ飛んでいたね」

 ベースを回ってベンチに戻ると早坂&田中から「1、2の3」のコールを振られると、反射的にアントニオ猪木の「ダァー」のポーズを繰り出して喜びを爆発させた。

 お立ち台では「ロッテと巨人のファンに元気な姿を見せられてよかった」と言った。プロ17年目の昨年6月、チームの若返り方針により、巨人へトレードで放出された。しかし、オフにFAですぐに復帰。巨人在籍期間はわずか155日だったが、チームメートの性格をつかむには十分な時間だった。

 沢村とはこんなやりとりがあった。新人だった右腕は登板中、無安打のサブローに「サブさん、打ってください」と言ってきたという。「普通のルーキーならば、そんなこと言えない。大物と思った。面構えが良く、向かっていく子」。こんな強気な男が投げたい球種は一つしかない。「馬力がある投手だし、走者も得点圏にいる。余計に直球で押してくる」。前日の試合で阿部が内角高めを何度も要求していたことも頭に入っていた。

 これで巨人2連戦は1勝1敗。交流戦首位の巨人に1・5ゲーム差と迫った。「自分たちは交流戦優勝を狙っている」。05年は交流戦を制して日本一まで駆け上がった。その再現を、サブローは狙っている。

続きを表示

2012年5月27日のニュース