石井1706日ぶり完封勝利!古巣斬り!二塁も踏ませず

[ 2012年5月26日 06:00 ]

<西・ヤ>完封勝利にガッツポーズする石井一

交流戦 西武10-0ヤクルト

(5月25日 西武D)
 まさに石井ワールドだ。西武の石井がヤクルト時代の07年9月23日阪神戦(神宮)以来、実に1706日ぶりの完封勝利。それも古巣相手にだ。二塁すら踏ませない完璧な内容にマウンドでは両手で珍しくガッツポーズをつくった。さぞや感慨深いのかと思ったら、こう言った。

 「特にうれしくなかったけど見栄え的にした方が良かったので。勝ったら別に、三塁でも本塁でも踏ませても良いです」。報道陣を拍子抜けにさせたが、フォア・ザ・チームに徹する38歳左腕の本音だった。

 全盛期の150キロを超える直球と切れ味鋭いスライダーはない。直球は常時130キロ台後半。だが「第3の球種」が効果的だった。右打者を9人並べたヤクルト打線の懐へ、120キロ台のチェンジアップで凡打の山を築いた。渡辺監督も「投手のプレートと(本塁の)ベース板までの距離を使えている」と従来の横の変化だけでなく、縦の変化と球速差で奥行きを生かした投球術を称えた。

 7回にはバレンティンを内角直球で見逃し三振に仕留め、野茂英雄以来史上2人目の日米通算2500奪三振。だが個人記録は二の次。ここまで西武ドームで2勝12敗1分け。4連敗も自身の黒星から始まり「連敗が僕で始まったので何とかしたかった」と強調した。

 26日に41歳の誕生日を迎える彩子夫人の前祝いの4勝目。「西口さんに教えてもらって気づいた」と苦笑いしたが、本当は気遣いの人。1月のハワイ自主トレでは菊池、木村ら若手の宿泊費、食事代などを肩代わりし、運転手役も買って出た。一日でも早く主力投手として一本立ちしてほしいからだ。

 お立ち台で時刻に気づくと笑顔で言った。「まだ9時前なのでちょっと遊んで帰ってください。次も多分頑張れると思うので応援してください」。まだ借金8。それでもベテランの快投はナインとファンを勇気づけた。

 ▼西武・杉本投手コーチ(石井は)きょうは十分の投球をしてくれた。練習の時から姿勢が良い。それがいいんじゃないかな。

 ≪野茂以来の日米通算2500奪三振≫石井(西)がヤクルト時代の07年9月23日阪神戦以来、自身5年ぶり8度目の完封勝利。38歳8カ月の完封は、昨季西口の38歳11カ月に次いで球団史上2位の年長記録となった。この日は5三振を奪い、日本通算2065奪三振。大リーグでの435奪三振と合わせ、日米通算2500奪三振(2629回2/3)を達成した。日米でプレーした投手では野茂英雄(3122奪三振)に次いで2人目。

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2012年5月26日のニュース