7年目の枡田 プロ1号V弾「打てへんちゃうかなと…」

[ 2012年5月24日 06:00 ]

<楽・中>5回1死二塁、楽天・枡田がプロ初本塁打となる決勝2ラン

交流戦 楽天4-0中日

(5月23日 Kスタ宮城)
 神様は見ていた。転んでも転んでも立ち上がってきた男が、大仕事をやってのけた。5回1死二塁。楽天・枡田が振り抜いた打球は追い風に乗り右翼席へ。ベンチに戻った9番打者は、興奮状態で表情が引きつっていた。

 プロ7年目で初アーチが殊勲の決勝2ラン。「興奮してきょうは眠れないです。プロに入ってすぐに打てる人もいるけど、7年目でこんなに時間かかって…。打てへんちゃうかなと思っていた」。試合後も声が裏返っていた。

 年俸660万円の24歳。ユニホームを泥だらけにして、課題の守備練習に明け暮れる努力の人だ。春季キャンプで首脳陣から長男・枡田、次男・銀次、三男・阿部で「泥んこ3兄弟」と命名された。前日の試合前も中日の名手・井端にアドバイスを求めるなど、常に必死な姿勢を見せる。

 右手首捻挫で2軍落ちした松井の代役として遊撃に抜てきされたが、新人の釜田が先発した20日の阪神戦(甲子園)で初回に正面のゴロをファンブルするなど2つのミス。試合前に「釜田が投げるので点を取って守って勝ちましょう!」と円陣で声出ししたにもかかわらず、足を引っ張った。「ショックがでかかった。とんでもないことをして…」と自身を責めた。

 それでも「あいつを使わんと死んでしまう」と、星野監督は降雨ノーゲームとなった前夜の試合も「9番・遊撃」で先発起用。期待に応えた孝行息子に、「我慢の限界だぞ。中田賢からだからな。たいしたもんだ。これで自信を持ってくれればいい」と笑った。

 今季4度目の3連勝で09年以来の貯金4。指揮官は「一つ一つ。頭を下げて前みつを取る野球だよ」と小兵力士の相撲になぞらえた。枡田も浮かれてばかりはいない。「しっかり守れないとダメ。下手くそなんで練習しないと」。こんな男が活躍するから、今の楽天は強い。

 ◆枡田 慎太郎(ますだ・しんたろう)1987年(昭62)7月8日、京都府生まれの24歳。小学3年で野球を始め、中学3年時に「京都田辺ボーイズ」で全国制覇。智弁学園では甲子園出場なし。05年高校生ドラフト4巡目で楽天入団。07年にイースタン優秀選手賞を獲得。1軍初出場は07年10月3日の日本ハム戦(フルスタ宮城)。1メートル78、80キロ。右投げ左打ち。

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