涌井冷や汗初セーブ 中島好捕で試合終了「しびれた…」

[ 2012年5月14日 06:00 ]

<日・西>試合後、中村(右)とハイタッチする涌井

パ・リーグ 西武4-3日本ハム

(5月13日 函館)
 9回2死一、二塁。祈るような気持ちで、西武の涌井は二遊間を振り返った。そこにはユニホームを泥だらけにして、中堅へ抜けそうな小谷野の打球を横っ跳びでつかんだ中島がいた。「ありがとう」。プロ8年目で初セーブ。ガッツポーズはない。1点差を守りきった。その安ど感だけだった。

 薄氷の初セーブ。前日も3失点で1点差まで追い上げられた。「きのう失敗していたので。ヒヤヒヤしたけど、気持ちで負けていなかったと思う」。1点リードの9回、先頭のスレッジに左前打を許した。それでも1死二塁では代打・二岡に最速149キロの直球を投げ込み、最後はスライダーで空振り三振。糸井を敬遠し、小谷野へはこん身の内角直球を投じた。そして中島が好捕。新守護神は「しびれた…」と正直に振り返った。

 開幕投手を務めながら3連敗。2軍調整中には母校・横浜高の恩師である小倉清一郎コーチから、電話でアドバイスされた。「ケツの穴から放るように投げろ!」。体のためがなく、左肩の開きが早いことを独特の言い回しで指摘された。「修正すべきポイントはこれでいいんだと思った」。一筋の光が見えた。

 開幕投手がセーブを挙げるのは、球団では00年の松坂(レッドソックス)以来。「自分がつくってきた試合じゃない。みんながつくった8イニングの流れや気持ちがある」。先発とは違う重圧、他の投手陣の思い…。この経験は涌井を必ず大きくする。「これから積み上げていきたい」。チームも最下位を脱出。獅子の守護神も、ここから巻き返す。

 ▼西武・中村(4回に先制適時打も124打席ノーアーチ)仕事ができていないので、ヒットを打とうと打席に入った。

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2012年5月14日のニュース