「どうしても勝ちたかった」兵庫・植村 母の日前に勝利プレゼント

[ 2012年5月13日 09:21 ]

今季3勝目を挙げた植村美奈子

日本女子プロ野球前期 兵庫8―1大阪

(5月12日 花園中央)
 日本女子プロ野球リーグは12日、花園中央公園野球場で前期の1試合を行い、兵庫スイングスマイリーズが8―1で大阪ブレイビーハニーズを下した。

 兵庫の先発植村は大阪打線を5回1失点に抑える好投で、母の日のプレゼントに最高の勝利を送った。初回から4回まで毎回走者を背負う苦しい展開となったが、2併殺打など要所をしのぐ投球で最少失点に食い止めた。

 「どうしても勝ちたかったので気持ちで投げました。本当はゼロで抑えたかったんですけど」。左腕から繰り出されるクロスファイアーで右打者の胸元を突き、シュートで外角を攻めた。最後にスローカーブを織り交ぜ、徹底的に打者の的を外し抜いた。

 「この一週間は春先のフォームに戻すことに時間を費やし、思い通りの球が投げられるようになった。球が遅いのは嫌だった」。今季は球速が上がってこないことに危機感つのらせ、前回負けたことで思い切ってフォーム改善に着手。バックスイングを思い切って小さくし、腕の振りのスピード自体を上げた。トップを安定させたことで球速アップにもつながった。

 この日は負けられない理由があった。母の日に合わせて、両親が応援に駆けつけていた。「両親が実家の京都・福知山での田植えを必死に終わらせて、今朝の試合になんとか来てくれたんです」。リードが7点差ついたところで、植村はマウンドを新人に託してお役御免。4月15日以来、約1カ月ぶりの勝利に試合後は喜びを隠せなかった。「ウイニングボールはお母さんにあげたいと思います」とスタンドで見守る両親にサインをして手渡した。

 エースが久々に勝ち星を手に入れ、チームは3連敗を阻止。前期の試合数も残り半分を切った以上、2位兵庫が3連覇するにはもう勝ち進んでいくしかない。

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