ロッテ首位再浮上!恐怖の突風翌日“疾風”の井口が先制打

[ 2012年5月12日 06:00 ]

<ロ・ソ>先制適時打の井口は勝利に笑顔でハイタッチ

パ・リーグ ロッテ6-4ソフトバンク

(5月11日 QVC)
 8安打で6得点。うち単打が7本。ロッテがお家芸の「つなぎ」で首位再浮上を果たした。流れをつくったのはベテランの井口だった。

 「成瀬が投げる時は、序盤に点を取ることができていなかった。きょうは最初のチャンスをものにできて良かった」

 初回1死二塁から右前適時打。フルカウントからの6球目、スライダーを逆らわずにはじき返した。前日は最大風速18メートルのひょう交じりの強風が吹き荒れ、重さ300キロの打撃ケージが倒れるなどして試合は中止となったが、この日は井口が疾風のごとく先制点を叩き出した。

 プロ16年目。昨季は打率・265、9本塁打に終わり、チームも最下位。それだけに「今年に懸ける」と逃げ場のない覚悟を口にする。1月の自主トレでは例年以上に激しい練習をこなした。参加した3年目の清田が「こんなに練習するのか」とカルチャーショックを受けたほどで、徹底的に体幹や下半身の強化に努めた。今年で38歳となる井口は「去年は夏場以降にへばった。気持ちは若いころと同じだが、体はもう違う」と基礎体力に重点を置いた。さらに飛ばないとされる統一球対策として、バットの素材もこれまでのアオダモから、今季はホワイトアッシュとメープルを併用している。

 チームは4月14日に打撃不振のホワイトセルが2軍降格。以降は「純国産打線」で戦って22試合目になる。首脳陣が日替わりオーダーを組む中で、唯一打順が一度も替わっていないのが3番の井口。「つなぎ」の打線の不動の中心なのだ。

 09年に大リーグから国内復帰し、ロッテに移籍。10年に「史上最大の下克上」としてリーグ3位から日本一に駆け上がったが、まだリーグ制覇は果たしていない。それだけに「今年は優勝してみんなで喜びたい。そのために自分ができることをやるだけ」という。現在、打率・298で、04年のダイエー時代以来の国内での打率3割も視野に入れる。

 井口がいる。だから、打線がつながる。だから、ロッテは4度目の首位に返り咲いた。

 ▼ロッテ・今江(4月は1割台に低迷した打率も.248まで持ち直した)一時期に比べると良くなったが、まだまだ。

 ≪井口、パ最多6本目の先制打≫ロッテがソフトバンクを下し、5日以来の単独首位に立った。先制点は初回井口の右前適時安打。今季井口の殊勲安打(先制、同点、勝ち越し、逆転)は6本目になるが、全て先制。パで先制安打6本は中田(日)の5本を抜き最多になった。またロッテは、この日のように本塁打0の試合でも14勝9敗1分け(勝率・609)と健闘。昨季は同様のケースで34勝60敗9分け(・362)と負け越したが、今季は勝ち星を拾っている。

続きを表示

この記事のフォト

2012年5月12日のニュース