阿部　まさかのポロリ「きょうは寝れねえな」

セ・リーグ 巨人７－７ＤｅＮＡ

（5月8日 宇都宮）
　ネクストバッターズサークルの巨人・阿部は、平常心ではいられなかった。同点の９回２死一、二塁。この時点で既に規定の３時間３０分は過ぎていた。右足に打撃用、左足にはもう必要ない捕手用のレガース。しばらくして左足のレガースを外した直後、代打・加治前が空振り三振し、打席は回らず引き分けた。

　３点リードで迎えた９回、１点を返され、なお２死二塁。中村の飛球はバッテリー間に高く舞い上がった。誰もが試合終了と思った瞬間、阿部のミットからボールがこぼれた。これで１点差。相手に渡した勝負の流れは戻ってこない。

　西村は続く吉村に右中間同点二塁打を浴びた。４回まで６―０の楽勝ムードが暗転。原監督は「その前の８回に１点与えたのがリズムを壊した。まあ７点、よく取った。最終回に３点取られても同点というのは、まあいいでしょう」とかばったが、主将は「言い訳にならない」と繰り返した。

　前日、阿部は「起爆剤になれるように。自爆剤にならないように頑張る」と冗談めかしたが、望んでいた結果とはいかなかった。「きょうは寝れねえな。あした取り返すしかない」と自分に言い聞かせた。