稲葉 月間MVP御礼V打!ハム一挙8点でグライ攻略

[ 2012年5月9日 06:00 ]

<ロ・西>6回無死一、二塁から日本ハム・稲葉は右中間を破る勝ち越し2点適時打

パ・リーグ 日本ハム9-7ロッテ

(5月8日 QVC)
 難敵もチーム一丸となれば崩すことができる。ロッテとの首位攻防戦第1ラウンドで、日本ハム打線がそれを証明した。栗山監督もしてやったりの表情だ。

 「稲葉もそうだけど、確実に(球を)つかまえたでしょ?この打ち方でいくんだというコーチが考えたことを貫けた。全員で前に進めた結果」

 ここまで4試合で1失点、両リーグトップの防御率0・31のグライシンガー相手に出した答えは、追い込まれる前に打つ積極戦法。低めに来る武器のチェンジアップは捨て、直球系に的を絞った。つながったのは1点を追う6回だ。先頭の小谷野から全て直球を3連打で同点。初球のカットボールを見逃した稲葉も140キロ直球を右中間へ決勝2点打。なおもホフパワーの代打3ランなどでKOした。稲葉はこの回2度目の打席も遊撃内野安打で打点を稼ぐなど、一挙打者14人9安打を集中して8点を奪った。

 稲葉はこの日発表された3、4月度の月間MVPに輝いた。プレッシャーがかかる2000安打を達成した月に月間MVPを獲得した選手は史上初だが「チームが勝ちたい一心だったからプレッシャーは感じない」。昨年11月、栗山監督との初対面で「144試合頑張ってもらう」と通達されて以来一試合一打席に集中する姿勢をより強く押し出している。自分の一発で決めるのではなく次につなげる精神。「束になって戦う」と話す指揮官の方針を体現するベテランの姿勢はナインにすっかりと浸透している。

 「1年間調子が良いとは思わない。いずれ落ちると思うけど、やるべきことはやるということ」と稲葉。チームは両リーグ20勝一番乗り。この謙虚な姿勢が、首位に立つ日本ハムの原動力となっている。

 ≪1イニング9安打以上は7年ぶり≫日本ハムが6回に9安打で8点を奪いロッテに逆転勝ち。チーム1イニング8点以上は昨季9月9日楽天戦の6回に8点を挙げて以来。9安打以上は05年7月28日楽天戦の7回に9安打して以来7年ぶりになる。これでチームは両リーグ20勝一番乗り。日本ハムの両リーグ20勝一番乗りは62、96年に次いで16年ぶり3度目だが、過去2度の監督は水原、上田といずれもチーム就任2年目。1年目では栗山監督が初めてだ。

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2012年5月9日のニュース