岩隈 3回5K 緊急登板も「アドレナリンたっぷり」

[ 2012年5月9日 06:00 ]

<マリナーズ・タイガース>4回から登板し、3回を1失点のマリナーズ・岩隈

ア・リーグ マリナーズ3―2タイガース

(5月7日 シアトル)
 マリナーズの岩隈久志投手(31)が7日(日本時間8日)のタイガース戦で、右肘に打球が直撃した先発のブレーク・ビバン投手(23)に代わり4回から緊急登板。3回1失点、5奪三振の力投で逆転勝利に貢献した。打撲と診断されたビバンだが、肘に強い張りを訴えており8日(同9日)に再検査をする予定。結果次第では、岩隈が代役として13日(同14日)のヤンキース戦で先発デビューする可能性が出てきた。

 劇的なサヨナラ勝利に沸くクラブハウス。緊急登板でつないだ岩隈も笑顔にあふれていた。

 「行ける準備だけはしておきながら見ていた。もちろんドキドキしたけど、アドレナリンもたっぷり出しながら投げられた。結果的に勝ち試合につながってうれしかった」

 出番は突然訪れた。3回1死一、三塁、強烈な打球が、先発ビバンの右肘を直撃。跳ね返ったボールが三塁手の前に転がり併殺打でイニングは終了したが、続投不能となった。急きょ肩をつくり救援した岩隈だが、マウンドでは冷静な投球を披露。1イニング目の4回こそ打ち取った打球がヒットになる不運もあり失点を喫したが、強力打線相手に内角をグイグイ攻め、緩急も使って3回を1失点。最速93マイル(約150キロ)を計時して5三振を奪った。「(登板が)急だと力んだりすることがある。その中で何とかできたのが収穫」と手応えを語った。

 この日の好投は先発へ向けた強烈なアピールとなった。先発のビバンは試合後に右肘の打撲と診断されたが、念のため8日に再検査の予定。大事をとって次戦の13日ヤンキース戦は回避する可能性は十分に考えられる。「岩隈が素晴らしい仕事をしてくれた。とても印象的な仕事だった」と絶賛したエリク・ウェッジ監督は、ビバンの次戦に関して「肘があすどうなるか見てみたい」と説明。岩隈のメジャー初先発に関しても「可能性はある」と否定しなかった。

 開幕前に中継ぎ降格を告げられたが「必ず先発の座を奪い返す。取って代わるという強い思いを持って頑張りたい」と話していた岩隈。念願の先発マウンドへ。今はただその時を静かに待つのみだ。

 【岩隈の今季】

 ☆3月21日 日本凱旋を前に中継ぎ降格が決定。与えられた役割はロングリリーフで「野球人生においていい経験ができると思う」と前向き。

 ☆3月26日 巨人とのオープン戦(東京ドーム)には先発も4回10安打6失点。「恥ずかしい投球をしてしまった」。

 ☆4月20日 ホワイトソックス戦で待望のメジャーデビューを果たし4回1失点。開幕から15試合目、30球団の開幕ベンチ入り選手では最後の出場となり「ここで投げられたのは良かった」。

 ☆4月28日 ブルージェイズ戦に登板も2試合連続被弾となる満塁本塁打を浴びるなど4失点。8日ぶりの投球に「これが中継ぎの難しさ」。

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2012年5月9日のニュース