メンタル強化の京都先発・荒井 母の応援もプラスに

[ 2012年5月7日 10:00 ]

京都を連勝に導いた先発・荒井

日本女子プロ野球前期5回戦 京都4-2兵庫

(5月6日 神戸サブ)
 日本女子プロ野球リーグは6日、神戸総合運動公園サブ球場で前期の1試合を行い、京都が4-2で兵庫を下した。京都は連敗の後2連勝、兵庫は勝率5割到達後に連敗となった。

 4月8日以来の登板となった先発荒井は、最高の投球で京都を連勝に導いた。初回から伸びのある直球で兵庫打線を押しまくると、カウントを悪くしてもスライダーやカーブでしっかりとストライクを取り、的を絞らせなかった。「今季で一番の投球だったと思う。変化球でストライクが取れるようになったのは大きい。今日は自信を持ってマウンドに上がれた」。

 5回一死までを投げ、2安打無失点と1カ月ぶりの登板としては出来過ぎの内容。エース宮原が好投を続ける中、出番は減ってしまったが、その期間を弱点克服に活用した。「苦手な走り込みもタイムを計りながら、すべての本数を一定の力で走るようにした。それがイニングによって、ばらつきが出ないように結びつく」。一本ずつを全力で走り抜ける繰り返しで下半身の安定だけではなく、メンタル面の強化、集中力アップを身につけた。

 この日はまた心強い味方も応援に駆け付けた。「母が見に来てくれた時は絶対に負けたことはないんです」と母親が東京から夜行バスで試合観戦に訪れた。試合開始の直前に到着したが、ジンクス通りに愛娘の勝利をしっかりと見届けた。

 荒井の好投が打線のリズムを作り出し、2本のスクイズなどで先制、逃げ切りに成功。チームは連勝し、再び首位を独走し始めた。これで宮原とエースの座を争うライバル意識も強まり、京都にとってはチーム底上げのうれしい材料が増えた。

 <5セーブ目よりも先制スクイズ>左投手対策として打順3番に入った守護神塩谷が、打でもキーを握った。同点で迎えた5回一死2、3塁、塩谷は相手の意表を突く初球スクイズを投前に決め、先制点を叩き出した。「実はあの時、サインはスクイズじゃなくてプッシュバントだったんです。何球目でも良かったんですけど、失敗すれば苦しくなるんで初球を行くと決めてました」。京都は大型打線のイメージが強いが、練習ではバントも個々が積極的に取り組み、打順に応じた攻めが柔軟に出来るようにしている。小技と走塁面でも京都が3年目で開花した部分だ。6回にも9番川畑亜沙美が初球スクイズを決めるなど、接戦でゲームの進め方の差を兵庫に見せつけた。投げても塩谷は2戦連続でリリーフしたが、今季初の失点を記録。「点を取られたから納得いかないですけど、スタメンの3番に名前があったことの方がびっくりしました」。左投手対策とはいえ普段は守護神に徹するだけに、バットで連勝に貢献出来たことにはうれしさいっぱいだった。

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