小久保 複雑…地元で決めたいけど「あす10打席は…」

[ 2012年5月6日 06:00 ]

<ソ・楽>6回1死一、三塁、ソフトバンク・小久保は右中間に二塁打を放ち、2000本安打へあと10とした

パ・リーグ ソフトバンク4-3楽天

(5月5日 ヤフーD)
 6回の攻撃を控え、ソフトバンク・小久保は確信していた。楽天は直前に1死二、三塁の勝ち越し機を逃したばかり。「ピンチの後にチャンスあり。打順が巡ってくるなら、チャンスと思った。準備はできていた」――。そして1死一、三塁。ベテランの読み通りの場面で、戸村の外角の140キロ直球を右中間へ。決勝の2点二塁打。こどもの日、地鳴りのような大歓声の中で、塁上で珍しくガッツポーズをつくった。

 「自分で言うのもあれですが、あと10本で2000安打です。あす10打席は回ってきません。その後、2週間の遠征に出ます。ぜいたくは言えないし、目の前の試合に全力で取り組みたい」

 スタンドには05年の実数発表後、最多の3万7877人。そのファンの前で主将は8日のオリックス戦(ほっと神戸)から4カード続く敵地で記録を達成し、本拠地に凱旋すると誓った。

 一日、一打席でも早く快挙を達成するのが願いだ。「僕のヒットのために野球をしているわけじゃない」。2年連続の日本一を何より最優先に考える。4月22日の楽天戦(熊本)まで4試合連続でスタメンを外れた原因となった腰痛は、いまだ完治していない。ゴールデンウイーク中は治療院も休業中で、ハリ治療も中断を余儀なくされている。それでも「グラウンドに立てる状態なら何でもこい」。24日の西武戦(ヤフードーム)で先発復帰後は、11試合で38打数15安打の打率・395の固め打ちを続けている。

 「目の前の目標に集中して、打席に立っているね」。秋山監督も主将の充実ぶりに目を細める。「(今季開幕の残り)38本からカウントダウンしていたよ。いよいよ、ここまで来たね」。残り10本。40歳の眼光は、また一段と鋭くなった。

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2012年5月6日のニュース