“呪いのボール”3300万円で落札…00年の5倍に

[ 2012年5月6日 06:00 ]

1986年のメッツ―レッドソックスのワールドシリーズで勝敗を左右した「世紀のトンネル」のボール

 1986年のメッツ―レッドソックスのワールドシリーズで勝敗を左右した「世紀のトンネル」のボールが4日、ダラスで行われたオークションで41万8250ドル(約3300万円)で落札された。落札した人物は明らかにされなかったが、競売を主催したヘリテージ・オークション社関係者は3300万円という落札額に「それだけさまざまな感情がこもったボールということ」とした。

 「世紀のトンネル」は米スポーツ界でも有名な悲劇の一つだ。5―5で迎えた第6戦の延長10回2死二塁、レ軍の一塁手ビル・バックナーが平凡なゴロをトンネル。サヨナラ負けを喫すると、流れを変えられずに続く第7戦も敗れた。世界一まであと1アウトと迫りながらの失策は、今も語り継がれている。

 このボールは当時、右翼にいた審判員に拾われ、その後にメ軍の球団幹部に手渡されたという。過去には人気俳優のチャーリー・シーンも所有。00年に約6万4000ドル(約670万円)で落札し、この日競売にかけたセス・スウルスキー氏は「このボールは野球を超えて国の文化の一部となったもの」と話した。

 【過去に競売にかけられた大リーグ「負の遺産」】

 ☆ブラックソックス事件の未公開資料(07年) 1919年のホワイトソックスとレッズのワールドシリーズで八百長が行われたとされ、大リーグ史上最大のスキャンダルとされる事件の数千枚の文書や手紙やメモ。シカゴ歴史博物館が10万ドル(当時約1120万円)で落札。

 ☆呪いのユニホーム(08年) ヤンキースの新本拠地球場の建設現場に埋められていたレッドソックス・オルティスのユニホーム。レ軍ファンの作業員が新球場を呪うために埋めたもので、一般のファンにより17万5000ドル(当時約1750万円)で落札。

 ☆虫よけスプレー(07年) インディアンス―ヤンキースの地区シリーズ第2戦で使用されたスプレーが、673ドル(当時約7万4700円)で落札。ヤ軍が1点リードの8回の守備中に羽虫が大量発生して使用された。ヤ軍は集中力をそがれたのか、イ軍が逆転勝利。

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2012年5月6日のニュース