鳥谷 唯一のマルチも「勝利につなげたかった」

[ 2012年5月4日 09:41 ]

<中・神>4回無死一塁、鳥谷は右前打を放つ

セ・リーグ 阪神0-3中日

(5月3日 ナゴヤD)
 屈辱の完封負けに、阪神ナインの足取りは重かった。ベンチ裏から駐車場へと連なる通路。敵地ナゴヤドームで未勝利に終わったのだから、無理もない。ただ一人、2安打を放った鳥谷もまた、厳しい表情のまま歩を進めるしかなかった。

 「こういう時だから自分にできることをしっかりやって、勝利につなげたかった…」

 左腕・雄太に対しても、自らの打撃を崩されることはなかった。まずは初回。2死走者なしから外角真っすぐをとらえ、センター前へ痛烈にはじき返した。これだけでは止まらない。4回無死一塁では、内角低め変化球を引っ張る右前打。ベンチのもくろみ通りに一、三塁とし、唯一の反撃機を演出したのだった。

 守りでも自らの役割を果たした。3度の守備機会を完璧に処理。2回のピンチではマウンドの安藤へ駆け寄るなど、野手キャプテンとしてもでき得ることはすべてやり遂げた。東京ドームからの6連戦はまさかの失墜に終わったが、長いシーズン。早々に気持ちを切り替え、鳥谷はきょうもグラウンドで猛虎を引っ張る。

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2012年5月4日のニュース