「自衛隊」と皮肉られていた男が…宮本 プロ18年目の金字塔

[ 2012年5月4日 15:50 ]

1994年12月、ヤクルトに新入団した宮本慎也(後列左から3人目)。前列右は野村監督

セ・リーグ ヤクルト8-4広島

(5月4日 神宮)
 ヤクルトの宮本慎也内野手(41)が4日、神宮で行われた広島戦で史上40人目となる通算2000安打を達成した。

 これまで、遊撃と三塁手でゴールデングラブ賞を9回受賞している球界屈指の守備の名手。昨季は132試合で失策1の守備率9割9分1厘で三塁手の守備率プロ野球新記録し、史上最年長でゴールデングラブ賞を獲得するなど“守備の人”の印象をいっそう強くした。

 入団当初も買われていたのは守備で、打撃面で大きな期待がかけられることはなかった。自身もプロ入りに「守備を買われて入った」と認め、当時の野村克也監督(76)からは“専守防衛”すなわち“打てずに守るだけの人”として「自衛隊」と皮肉られていたほどだ。

 それでも1999年に臨時コーチを務めた中西太氏(79)から助言を受けて開眼。入団6年目の2000年には、初めて打率3割を記録した。06年のWBCでも勝負どころで適時打を放ち日本の優勝に貢献するなど、勝負強さも兼ね備る打者に成長。努力を重ねながらプロ入り18年目で金字塔を打ち立てた。

 座右の銘は、自身のブログのタイトルでもある「球道即人道」。PL学園時代の恩師、中村順司監督(65)が使っていたという。「日常がいい加減だと、野球もいい加減になる」。自分にも他人にも厳しく律し、04年アテネ、08年北京五輪では、日本代表のキャプテンとして奮闘。現在も強いキャプテンシーを発揮し続けている。

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