イチロー2年ぶり2試合連続3安打で213安打ペース

[ 2012年4月27日 06:00 ]

<タイガース・マリナーズ>6回、モンテロの適時打で三塁を回り生還するマリナーズのイチロー

ア・リーグ マリナーズ9-1タイガース

(4月25日 デトロイト)
 乗った。天才打者がノッてきた。マリナーズのイチロー外野手(38)が25日(日本時間26日)、タイガース戦で2年ぶりの2試合連続3安打をマーク。開幕からは早くも4度目の3安打以上と、メジャー12年目で過去にないハイペースぶりだ。打率も再び3割を超え、162試合に換算した安打数も213本と200安打ペースに乗せた。昨季、10年連続で途切れた大台へ、快調なペースで飛ばしている。

 軽快に安打を連ねた。鋭く、力強い打球が次々と外野へ飛ぶ。2試合連続、通算225度目の1試合3安打以上。それでもイチローの口ぶりは普段と変わらなかった。

 「どうなんだろうね。後になってみないと分からないことだから。それで去年は失敗したわけでしょ。今の段階ではそう(好調)であると信じて、信じられる状態をつくるという行為しかできないですよね」。昨季は01年と並ぶ4月最多タイの39安打。例年、準備期間と位置づける1カ月が好調だったことで、逆に長いシーズンを通した課題があいまいになった。結果、連続200安打が10年でストップ。今季も同様に春先から安打を量産しているが、同じ轍(てつ)は踏まない。

 3安打は、いずれも外角へ落ちる球を中堅から左へ打ち返した。初回は左腕ウィリクのスライダーを、4回はウェーバーのチェンジアップを中前へ。6回はツーシームを左翼線二塁打だ。昨季は内角高めの直球系に対する打率が・167。開幕当初からその弱点を徹底的に突かれたが、イチローは力でねじ伏せる打撃で対応。ある球団スコアラーも「右方向の強い打球を意識している」と語る。そこで、と相手は対角線の外角低めで勝負。その攻めの、一手先を読んだ。昨年4月は、自身の状態を正確に把握できないまま安打が出た。柔軟かつ完璧に対応した3安打こそ、本来のイチローの姿に違いない。

 この日はフィギンズが欠場。全19試合に出場しているのはチーム最年長のイチローただ一人だ。「年齢が若いのと動きが若いかどうかは別だからね。アスリートはそれ(動き)で見ないとね」。これで打率は定位置ともいえる3割台(・316)に乗せ、前日までシーズン198本だった安打ペースも213本と大台を超えた。38歳。早くもエンジン全開の気配だ。

 ≪4月4度目3安打はは自身初≫イチローが今季4度目の1試合3安打以上をマーク。4月(3月を含む)では01、10年を抜き自己最多だ。年度別では大リーグ記録のシーズン262安打を放った04年 に最多の34度。月間回数は4月2、5月6、6月2、7月8、8月11、9月(10月を含む)5と、夏場以降に驚異的なペースを刻んだ。昨年は2試合連続の3安打以上は一度もなかった。

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2012年4月27日のニュース