稲葉4の4!大台まであと2本 プレッシャー楽しむ

[ 2012年4月26日 06:00 ]

<日・ロ>ロッテに勝利し、栗山監督(左)とハイタッチする日本ハム・稲葉

パ・リーグ 日本ハム5-1ロッテ

(4月25日 東京D)
 一気に決める。日本ハムの稲葉篤紀外野手(39)が25日のロッテ戦で今季初の4安打固め打ち。残り34本で開幕してから、わずか23試合で通算2000安打まであと2本に迫った。4安打以上は自身16度目。打率・386でリーグトップに立ちチームも勝って首位を奪回した。26日は栗山英樹監督の51歳の誕生日。自らを祝い、指揮官も祝う金字塔を打ち立てる。

 東京ドームのボルテージが1打席ごとに上がるのを、日本ハム・稲葉は肌で感じていた。そしてその期待に応えるのだから凄い。4打数4安打。重圧をものともせず、大台まで一気にあと2本に迫った。

 「意識しますよ。でも、とにかくチームが勝つことを一番に考えている。プレッシャーとかはあまり気にしていないし、この本数の今の僕にしか味わえないもの。思い切り味わいたいですね」

 なぜ重圧を感じないのか。象徴したのは1点差の3回1死一塁で迎えた第2打席。一塁走者・糸井の二盗を援護するためファーストストライクをわざと空振りした。結果は二盗失敗。2死無走者になった。長打を狙っていい場面。だが稲葉はコンパクトなスイングで中前に運んだ。つなぐためだ。4安打全てシングル。「謙虚に考えていったのがよかった」と振り返ったが、誰よりもチームのことを考えた結果だ。

 「2000安打のために野球をやっているわけではない」。開幕から言い続けている言葉だ。前日の8回も糸井が左手首に死球を受けたのを見た稲葉は打席に向かう前、栗山監督に「僕が外野を守りますよ」と進言した。大記録よりも、まずチームのことを案じる39歳ベテランに「チームのためにプレーするということがいかに大切かを浸透させてくれている」と指揮官。ヤクルトでレギュラー扱いされない時代もあった。FAでメジャー挑戦もオファーがなかった。拾ってくれたのが日本ハム。そこで積み重ねた1026安打には感謝の思いが詰まっている。自分のためにではなく、どうしたらチームに貢献できるのか。それを強く意識することで、目の前の1打席に集中できる環境を自らつくり出す。だから重圧も苦にしない。

 東京ドームは08年7月15日楽天戦で1500安打を達成した験のいい球場。「そういう意味では2000安打にふさわしい球場かな。正直早く解放されたい。一生懸命やってあとは神様にゆだねますよ。もう内野安打でも何でもいいです」。26日は栗山監督の51歳の誕生日。重圧をも力に変え、指揮官をも祝う。謙虚に偉業を目指す。

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2012年4月26日のニュース