緊急登板も慌てず 6年目植村好救援でプロ初勝利

[ 2012年4月20日 06:00 ]

<西・日>植村はプロ入り初勝利を挙げ、ウイニングボールを手ににっこり笑顔

パ・リーグ 日本ハム3-2西武

(4月19日 皇子山)
 照れくさそうに、初めてのヒーローインタビューを受けた日本ハムの植村は、スタンドの声援に何度も何度も手を振って応えた。6年目の23歳はウイニングボールを握りしめて、プロ初勝利の余韻に浸っていた。

 「長かったですね、本当に。地道にやってきたことがつながった。ウイニングボールは両親に渡したいと思います」

 出番は突然やってきた。先発のウルフが4回、先頭の嶋に対して3ボールとなったところで左太腿裏に違和感を覚えて緊急降板。3回からブルペンで準備をしていた植村は「慌てませんでした」と今季3試合目のマウンドに上がった。そこから2回を無安打、3奪三振と完璧な投球。味方の逆転を呼び込む好救援に「素直にうれしい。リズム良く一人一人打ち取っていこうと思った」と振り返った。

 北照出身。同い年の楽天・田中とは高3の夏、南北海道大会の準決勝で投げ合った。1安打に抑えながら敗退した植村は甲子園に出場することができなかった。あれから6年。13日の楽天戦(札幌ドーム)では田中と斎藤の投げ合いで注目されたが「いつか僕も投げ合いたい」と本音も口にした。それでも活躍する同世代を見ながら「急にうまくなったりするわけではないので、コツコツやっていこうと思った」と焦る気持ちを抑えた。

 ここ2年間1軍登板はなかったが、ようやく手にしたプロ初白星。栗山監督は「ああいうところから投げて、本当によく頑張ったね。きょう(の勝因)は(植村)祐介、初勝利でしょ」と目を細めた。田中、斎藤らライバルたちに後れを取っていた植村が、いまスタートラインに立った。

 ≪88年度生まれで白星は12人目≫植村が6年目でプロ初勝利。4回先頭の嶋のカウント3ボールから登板し四球を与えたが、記録上はウルフに四球が付くため2イニング打者5人を完璧に封じた。これで同じ88年度生まれで勝利を挙げた投手は、67勝の田中(楽)を筆頭に植村が12人目。日本ハムからは吉川、斎藤に次ぎ最多の3人目となった。

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